土壌生物との出会い
ダンゴムシやアリなど、私たちは土の中にいる様々な生き物と身近に接することができます。
しかしもっとよく調べてみると土の中には普段目に付かないような小さな生き物もたくさんいることに気づくでしょう。
ここではそんな小さな生き物を観察する方法をご紹介します。
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<比較的大きな土壌生物を調べるには>
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※吸虫管とは… |
ピンセットでつまみにくい小さな動物を吸い上げて採取する道具 |
- 準備物
- 台所用ゴム手袋
- 折り尺2本
- 小型スコップ
- ビニール袋
- 園芸用ふるい
- 吸虫管(※)
- 白いビニールシート等(1m×1.5mくらい)
- ピンセット
- アルコール入りびん
- シャーレ
- ルーペ(虫めがね、実体顕微鏡)
- 方法
- できるだけ平らな場所に折り尺を使って1辺50cm(25cmでも可)の正方形を作ります。
- 正方形内の落ち葉、落ちた枝、腐葉土を手と小型スコップでかき集めビニール袋に入れます。
- 落ち葉や腐葉土を入れ終わったら、次にその下のややかたい土を小型スコップで掘り、ビニール袋に入れます。
- 明るく平らな場所に白いビニールシートを広げ、その上で最初のビニール袋から落ち葉や土を少しずつ取り出し、園芸用ふるいに入れます。
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これをふるってシートの上に落下した落ち葉の破片や土壌の中から動物を吸虫管で吸い取ります。
ピンセットでつまんだものはそのままアルコール入りのびんに入れ、吸虫管のものも後で同じびんに入れます。
- ふるいに残った落ち葉や枝などをシートの上にあけ、ふるいを通らなかった大きな動物を取り出します。
- 室内で動物をシャーレに移し、ルーペや実体顕微鏡で見て動物の名前を調べ、数を数えます。
- いくつか違う環境の土壌を調べて比較するとよいでしょう。
<小さな土壌生物を調べるには>
- 準備物
- 段ボール箱
- カレンダーの紙
- はさみ
- カッター
- プラスチックざる
- セロテープ
- ビーカー
- 虫めがね(ルーペ)
- 方法
- カッターで段ボール箱に丸い穴をあけます。
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カレンダーの紙をメガホン状にまるめて、セロテープでとめます。
上部は箱の穴より少し大きく、下は1cmくらいの穴があくようにします。
- メガホン状に丸めた紙を段ボールの穴に差し込みます。箱からはみ出た部分は少し切ります。
- プラスチックのざるをメガホン状の紙の上にのせます。
- 水を入れたビーカーを下に置きます。
- ざるの中にふるい落とした土壌や落ち葉を入れます。
- 40〜60Wの光をあてます。
- 24時間後にビーカーを取り出して虫めがでね調べましょう。
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肉眼では採集しにくい土壌生物を採取するこのような装置を土壌動物抽出装置(ツルグレン装置)と言います。
土壌動物は光を嫌って下へ下へと潜るので、この装置で採取できます。
- トビムシやダニなどの動物はこの方法で採取するとよいでしょう。
- このようにして採取した土壌動物に一定の点数をつけ、それらの総合点によって土壌環境の豊かさを測定することもできます。
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