イカを解剖してみよう
イカのからだの仕組みを知っていますか?どこに眼があって口があるか知っていますか?
イカは軟体動物門(なんたいどうぶつもん)・頭足類(とうそくるい)綱という分類に属しています。貝と同じ仲間です。
しかし、独特の進化を遂げ、特に眼はセキツイ動物(ヒトもセキツイ動物です)に近いものがあります。
食べる前にどんな風になっているのか、確かめてみましょう!
※※※ 解剖した後はしっかり加熱して食べましょう ※※※
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材料と道具
- イカ(冷凍でよい)
- バット(イカが入るくらいのお皿でもよい)
- 先の細いハサミ(洗ってから使おう!小さな包丁でもよい)
解剖の方法
スルメイカ(メス)
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イカの眼のつくり
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開いたスルメイカ(オス)
大きな肝臓(かんぞう)の上にすみぶくろが黒くみえます。
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バラバラに内臓(ないぞう)を分解したもの
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頭の部分とバラバラに分解したもの
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ろうとのある方からハサミを入れます。ろうとのない方は軟骨(なんこつ)とくっついているので切れません。
ハサミで中を傷つけないように気を付けましょう。ひれの一番先まで切り込みを入れ、
ゆっくり開くと皮の部分と内臓(ないぞう)の部分がくっついています。
- 血管(けっかん)
- 白い血管(けっかん)のついた膜(まく)がみえます。
- オスとメス
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大きなイカはオスとメスがはっきりわかります。
こどものイカはよくわかりません。
メスには卵巣(らんそう)があり、ここに卵が入っています。
そこにくねくねした輸卵管(ゆらんかん)がついています。
輸卵管(ゆらんかん)は卵の通り道です。
オスには白い精子(せいし)のカプセルがあります。
- 肝臓(かんぞう)
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肝臓(かんぞう)はエネルギーの貯蔵庫(ちょぞうこ)です。
とても大きく、たくさんのエネルギーが蓄(たくわ)えられています。
餌(えさ)を食べられるときにたくさん食べてここに蓄(たくわ)えるのです。
だからここは食べるととても美味しいです。
- えらと心臓(しんぞう)
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胃(い)と肝臓(かんぞう)にはさまれたすき間に心臓(しんぞう)があり、
一対の白くみえるえらがくっついています。
心臓(しんぞう)は魚類(ぎょるい)と同じく1心房1心室(★注1)です。
- 消化管(しょうかかん)
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鳥のくちばしのような形をしたカラストンビと呼ばれている部分が口です。
ここから食道(しょくどう)・胃(い)・盲腸(もうちょう)・直腸(ちょくちょう)とつながって肛門(こうもん)にでます。
食道(しょくどう)は肝臓(かんぞう)の裏です。口からスポイトでしょうゆをいれてみるとよくわかります。
- 胃(い)
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食道(しょくどう)から続く大きな器官(きかん)です。内容物が入っていることがあります。
イカがどんなものを食べているのかみてみましょう。
- 盲腸(もうちょう)
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胃(い)の脇(わき)につく器官(きかん)です。しょうゆをうまく入れるとここもふくらみます。
- 直腸(ちょくちょう)
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盲腸(もうちょう)からつながります。食道(しょくどう)と平行に走っていますが、すみぶくろの下にあるのが直腸(ちょくちょう)です。
口から上手にしょうゆを入れると最後は直腸(ちょくちょう)から肛門(こうもん)に戻ってきて消化管(しょうかかん)にすべて色がつきます。
- 胆のう(たんのう)
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ここにイカスミが入っています。イカスミは基本的には排泄物(はいせつぶつ)なので、栄養的な成分は含まれていません(★注2)。
メラニン色素が75%、他に炭酸カルシウム・炭酸マグネシウム・少量の有機物(ゆうきぶつ)を含み、防腐(ぼうふ)作用を持っています。
イカスミのスパゲティなど料理にも使われます。
- 目・脳
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目は黒く、表面に透明な角膜(かくまく)があります。
中には透明で美しい水晶体(すいしょうたい)があります。取り出してみましょう。
水晶体は黒い角膜に包まれています。目の裏側に脳があります。
足と足の間を注意して切っていくと白い脳が現れます。
★注1
心臓の構造は、心房と心室からできています。
心室は収縮することで心臓の外に血液を送り出す器官です。心房は心室に入る前の血液をためて、心室へ血液を送り込む器官です。
イカや魚は1心房1心室、ヒトやほ乳類は2心房2心室になっています。
★注2
イカスミには、実はアミノ酸(うまみの素)がたくさん含まれています。
敵に襲われたとき、スミを吐くことで敵の注意をスミの方へ逸らしてその間に逃げています。イカスミの料理がおいしいのはこのためです。
うまくイカのからだのしくみが分かるかな?
以前少年団の活動で魚の解剖をしました(2007/01活動)。
そのことを覚えている人もいると思いますが、ぜひイカも確かめてみてください。
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