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かたつむり

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No.501   2021(令和3)10.17(Sun.) 藤沢市科学少年団

10月の活動  施設見学 〜新江ノ島水族館〜


 10月1日に緊急事態宣言が解除されました。その後も感染者数は減少傾向にありちょっとほっとしています。ただ、解除後のリバウンドが心配です。
 学校も徐々にではありますが日常に近づいてきています。社会もまたしかりです。
 でも、まだ完全に日常が戻っていない中での施設見学ですので(混んでいる電車に乗って遠くまでは行きたくなかったので)近場にしました。
 新江ノ島水族館には多くの団員が行ったことがあるのではないでしょうか。年間パスポートを持っている人もいるでしょう。 何回行ってもいろいろな発見がありますね。楽しみにしていてください。
 ただ、昼食を食べるのに適したスペースがない(今の1番のネックはマスクを外さなくてはいけない昼食時なんです)ので今回は午前中のみの活動とします。


  1. 期日
  2. 10月24日(日)9:00〜13:00ころ


  3. 集合
  4. 9:00 片瀬江ノ島駅前


  5. 解散
  6. 13:00ころ 新江ノ島水族館


  7. 場所
  8. 新江ノ島水族館


  9. 持ち物
  10. 水筒、雨具、帽子、名札、バインダー、筆記具、交通費(自宅から片瀬江ノ島駅までの)、年間パスポート(持っている人)


  11. 欠席連絡


  12. 宿題
  13. 新江ノ島水族館のHPをよく見て、自分なりのテーマ・課題・見所を決めておいてください。
    https://www.enosui.com/


  14. 感染症対策について
    • 学校へ登校するときと同様の健康観察をお願いします。発熱や風邪症状が見られるときは参加を見合わせてください。 家族に症状がある場合も、状況に応じて参加の見合わせをご検討ください。
    • 集合時にアルコールによる手指の消毒を行いますので、協力してください。消毒液は団で用意します。
    • 活動中はマスクの着用をしてください。
      ※状況によりこの活動を中止する場合があります。予定を変更する場合は、緊急連絡MLで連絡します。


  15. その他
    • この活動はご家族の方の参加を歓迎します。 ただし、当日現地では班行動の妨げとなりますので団員とは必ず別行動をとるようにお願いします。



9月活動 気象観測にチャレンジ(在宅)

 7月4日(日)幻の夏季活動になってしまった山梨県早川町の地形模型を作成しました。 今年は行かれなくなったけれど、当然来年リベンジします。その時まで大切にとっておいてくださいね。

 9月12日(日)残念ながら在宅活動になってしまいましたが、気象観測にチャレンジしました。 少年団のあるあるで、やはり予想通りの雨!誰だ、いけないのは?でも、災い転じて、、、。
 当日はZoom を使ってお互いの交流もはかり、楽しい活動になりました。以下、鹿児嶋先生の報告です。みんなで共有しましょう。



9月活動報告「気象観測にチャレンジ」
事務局 鹿児嶋 英克

 9月活動は、緊急事態宣言期間中ということもあり、在宅での活動となりました。
 在宅ならではの活動をということで、団員それぞれの自宅等から気象観測をして、それをインターネットを使って集計し、 その日のうちに藤沢市全体の様子を明らかにしようという取り組みでした。
 まずはお詫びから。材料がそろわずに、コルク栓の代わりをそれぞれで工夫していただく事態となりました。大きなコルク栓がこれほど入手困難なレアものだとは知らず。 準備期間が足りなかったです。申し訳ございません。もう一点は、悪天候にかかわらず実施したことです。 朝から雨ならあきらめたのですが、9時がちょうど雨の降り始め。予報ではその後曇りとされていましたが、実際は小雨が降り続けました。 そのため、雨に濡れてしまったり、せっかく作った風力計が濡れてしまったとの報告も受けました。保護者のみなさまもフォローしてくださったかと思います。 お詫び申し上げるとともに、ご協力誠にありがとうございました。
 以下、みなさんの報告を集めて私が感じたことをレポートします。みなさんも自分なりに、発見や感想があったと思います。 それについては、観測結果と感想を一覧にまとめましたので、この紙面で交流したいと思います。

1.そもそも風の分布を見るつもりだったのに、雨の分布が明らかになった。


 当初は、それぞれの地域による風のちがいや分布を俯瞰できれば良いと考えていました。 ところが観測開始の9時、まさに藤沢市周辺で南西側より雨が降り始めていました。 そのため、場所によっては雨、場所によっては曇りという報告となり、それを地図に落とし込むとはっきりと雨の地域が浮き上がってきました。 雨雲レーダーと比較してほとんど同じ結果に驚いた人も多いと思います。あいにくの天候とは言え、これは狙ってもなかなか得られない瞬間でした。

2.昼間は風がやむ傾向にある

 特に地域的な風は、温度変化によって生まれるものですので、太陽が上昇をはじめる朝や、日が暮れて気温が下がる夕方の方が風が吹く傾向にあります。 そのため、12時の観測は無風が多いのではないかと予想していました。雨が強まってきたものの、風の様子は予想通りでした。
 一方で15時の風の状況は、風向に定まりはないものの、風の強さは12時より強い地点が多く、市内のいたるところでいろいろな方向の風が吹いていたことがわかりました。

3.停滞前線による雨が続いた

 12時はほとんどの地点が雨。15時も多くの地点が雨となりました。
 天気図や気象衛星の写真を見比べると、日本列島に停滞前線の雲が長く横たわっていることがわかります。 強く発達した雲というよりも、弱い雨をふらせる程度の雲が連なり、天気予報も曇りなのか雨なのか、判断が難しい日であったのだなと振り返りました。
 また、気温の報告も地図に落とし込みましたが、あまり地域差が見られませんでした。 天気が良ければ日照により海岸側と内陸側で差が出るかなと思いましたが、日照がなかったのであまり差が出なかったのかもしれません。


4.雲の観察は・・・これは残念。

 風や気温の観測に合わせて、雲の観察を行うことにしていました。これについては、一日中乱層雲が中心の雨雲のみで、ちょっと残念。 天気が良ければもっといろいろな雲の報告が集まったと思います。
 とはいえ、みなさんの中で、雲に対する興味や関心が高まったのであれば嬉しい限りです。今後の活動で自然観察に出かけた際は、みんなで雲を観察する時間もとりたいと思います。


5.手作りの観測装置でも立派な観測ができる

 今回は風向風力計を自宅で作ってもらいました。材料は郵送しましたので、測定器の大きさや形、羽根の重さなどは統一されたと思います。 そのため多くのデータを集めて比較することが成り立ちました。
 実験をするときの基本中の基本、調べたいものに対して、測定の条件や環境は同じにする。100人近くの測定環境をそろえることは、とても大変なことです。 精度を高めようとすればきりがありませんが、同じ観測装置を使って一斉に調査したことは、とても貴重な機会であったと思います。


6.多人数でリアルタイム観測に取り組んだことのおもしろさ

 小中学生が、同じ時間に80名近くで同時に気象観測に取り組んで、それをリアルタイムにネット上で集計し、手作業とはいえ地図に落とし込むような取り組みが、これまであったでしょうか?
 私は勝手に、藤沢市で初の快挙であると自負しています。(控えめに藤沢市初と言っておく)
 観測時刻を過ぎて15分ぐらい経つと、次々と結果の入力が画面上に反映されていきます。 こんなことがプロではない私たちでも経験できることが、インターネットサービスの進化です。今回はGoogleフォームと、Googleスプレッドシートを組み合わせてこの仕組みを用意しました。
 昨年度GIGAスクール構想により小中学校にパソコンやネットワークが整備され、今年度には学校でGoogleのシステムを使った人も多いのではないでしょうか。 みなさんが使っているシステムと全く同じものです。この手法を使っていろんな研究ができそうですね。
 さて、素人の観測データを天気予報に活かしている会社があります。「ウェザーニュース社」です。会員ユーザーの天気報告や雲の写真を大量に集め、気象観測データの一つにしているのです。
 雨雲レーダーで検知されていない雨の報告を集めて、天気予報に活かしています。今回の活動をまとめながら、大手気象会社と同じようなことを、私たちがやっているぞ〜と、思いました。

Zoomを使った交流も楽しかったです


ということで初の試みでしたが、なかなか充実した活動になったと自分としては納得しているところです。みなさんの感想も読ませていただきました。ご協力ありがとうございました。



下記については非掲載とさせていただいています。
ご覧になりたい方は事務局 fjnc_master@fjnc.sakura.ne.jp までご連絡ください。
・2021年9月12日 09時報告
・2021年9月12日 12時報告
・2021年9月12日 15時報告
・感想



Oさん(3班)と伊原先生と
編集

 9月2日(木)、3班Oさんのお母様から1通のメールが届きました。 このメールをもとにOさんと運営委員の伊原先生(昆虫に詳しい先生です)の間で蝶に関する様々なやりとりが続いていますので、ここで紹介します。

9/2(木)のメールに伊原先生の回答を加えました。

 3班 M.O.の母です。500号の原稿の時に観察していたナミアゲハの続きです。 観察していたら、色々疑問な事が出てきたのですが、完全に調べられたわけではありませんが、一応続きを添付しますので良かったら見てください。 初めは、クロアゲハだと思っていて、脱皮して青虫になる事を知りました。 クロアゲハの幼虫も、たまたま一緒に育てて観察をしていたのですが、初めは一緒の幼虫だと思っていて、何か色がちょっと違うけど、食べ物がデコポンやレモンの葉っぱだったのでそれでかな? と思っていたら、臭覚の色が違っていたので、違う種類だとわかって、青虫になった時も、色、模様、大きさが違いました。 16匹最初にもらって、三匹は学校のお友達にあげました。しかし、全部死んでしまったとの連絡を受けて、最後の蛹になる前の3匹をまた譲りました。 うちも、一匹青虫になれずに、黒っぽい汁がでて死んでしまいましたが、同じように育てていたので原因が分かりませんでした。 なぜ、同じ食べ物しか食べないのか?

<最初に食べたものを好んで食べますが、サンショウ以外にミカン類(柑橘系の食草)ならたいてい食べますね。

前蛹から蛹になるときに、糸が引っかからずになぜうまく脱皮できるのか?

<逆さでも大抵は蛹になります。

蛹になってさかさまにしてもなぜ同じ体勢なのか?

<蛹の状態では動けませんから元に戻れません。

蛹から蝶になるのに気温は関係あるのか?

<関係あります。気温が5〜10℃以下ぐらいになると冬眠してしまいます。

今、蝶々になった子たちは卵を産むのか?

<温暖化の影響もあり、11月頃まで幼虫を見かけます。10月頃まで産卵を続けるのではないでしょうか。

でも羽化まで、これから寒くなるのに平気なのか?

<11月以降気温が10℃以下になる頃に蛹になった個体はそのまま越冬し、来春5月頃に羽化します。今見られる個体は夏型ですが、来春の個体は翅の小さい春型で羽化します。

蝉の抜け殻はよく目にするけど、蝶々の抜け殻はなぜあまり目にしないのか?

<チョウの抜け殻はありません。脱皮は幼虫と蛹だけです。蛹の抜け殻は目立たないところで見つけることはあります。

など、不思議がまだ解決できていません。 今日で最後の9匹目が蝶々になって羽ばたいていきましたが、羽化はいつも朝方なのか、起きたら蝶々になっていたり、仕事に行く前に羽化の瞬間を2回ほど見れ感動しました。

<種類にもよりますが、羽化は早朝がほとんどです。光で反応します。

クロアゲハは、2匹蛹になっていますが、まだ羽化はしておらず、そろそろだと思っていますが、一匹は早い段階で茶色でしたが、一匹は緑でナミアゲハの時と同じ感じです。 同じ気温の所にいるのですが、何が違うのかな?と思っています。

<産卵時期の違いでしょう。アゲハとクロアゲハでは成虫になる期間は多少違います。また、食草の種類や量、環境の違いなどで差が生じると思います。

しかし蛹になった場所が違うのでそれが関係しているのか?とも思っています。

<あまり関係ないと思います。

クロアゲハも、どんな模様のクロアゲハになるか楽しみです。

<アゲハとクロアゲハは別の種類ですから、模様は全く違います。名前の通り真っ黒です。

夏休みの一か月ほぼ、毎日観察をして楽しかったです。

<Oさんはとても素晴らしい観察ができています。親御さんも一緒になって観察されて素晴らしいと思っております。

何か疑問についてのアドバイスや調べる方法などあれば教えていただけると嬉しいです。 まだ、クロアゲハの観察は続きますがお時間のある時に返信頂ければと思います。よろしくお願いします。


9/4(土)

今日、クロアゲハが羽化して無事に蝶々になって飛んでいきました。 しかし、まだ、レモンの木に沢山の幼虫がいて、それをまた、育てようと思っていますが、今、育てると、孵化は春ですか? 結構、育てながら疑問に思うことが出て来て、試行錯誤しながら育ててる感じです。
クロアゲハのメスだと思っているのですがあっていますか?青虫も結構似てるのが多くて、オスメスでも、微妙に違う事がわかったりして、調べるのにも苦戦しています(笑)

伊原です。
早速のご報告ありがとうございます。
さて、今羽化した成虫たちは再び卵を産んでもう1回くらい発生。11月頃まで成虫は見られるかもしれません。11月頃の蛹が来年の羽化になるでしょう。アゲハチョウ科は越冬は蛹のみです。



9/25(土)

前回のナミアゲハとクロアゲハは無事に羽化して飛び立ったのですが、また、第2弾を育てていて、その中の9月8日に蛹になった子が、 初めの段階から、蛹が黒かったのですが、一向に蝶になる気配がなく、もしかしたら死んでるのかな?と娘と話をしていたのですが、 写真を添付してますので、もし、何か分かることがあればよろしくお願いします。

伊原です。
蛹の色ですが、写真から判断するとやや茶色をしています。周囲の色が緑ではないので、保護色でこげ茶色を呈しています。 また、おそらく死んではいないと思われます。触ってみて、下腹部が動くようであれば生きています。
羽化する確率は1/2でしょうか。羽化数が少ないのでメスばかりの場合もあります。 環境によってオスメスの発生数に多少は関係があるかもしれませんが、研究論文を探さないとわかりかねます。



9/27(月)

25日(土)にモンシロチョウの幼虫とミノムシを頂く機会があり、育て始めましたが、ミノムシの育て方がいまいち分からず、近くの公園にどんぐりの木があるので、 そこに逃がそうかとも考えていますが、娘がかわいいから外に放したくないというのですが、死んでしまうと可愛そうなので、どうしようかと考えている所ですが、 ミノムシだけでもらったので、どんな所にいたのかとか分かりませんが、枯葉なども食べるとネットには書いてありますが、何か良い育て方などあれば教えていただけますか? よろしくお願いします。

伊原です。
ミノガですね。エサはとりあえず幼虫がついていた樹木の葉を与えてください。できれば枝付きがいいと思います。 ミノは枯れ葉を砕いたものでもいいですが、折り紙を細かくきざんで与えるとカラフルなミノを身に着けます。 子供の頃、遊びましたよ。いろいろチャレンジしてください。


10/3(日)

ナミアゲハは、動く感じがしないので、羽化は無理そうです。
後、第2弾で育てているナミアゲハは、最初メスばかりでしたが、その後オスも続き、メス5匹、オス4匹で結果あまり変わりませんでした。
後1匹、まだ青虫の子がいるので最後まで見守りたいと思います。
それと、モンシロチョウですが、今日3匹蝶々になって飛んでいきました。
ちょっと、モンシロチョウは色々ありすぎて、また夏休みの時のたいな観察をつけていますので、出来上がったら送信するか、 10月の活動で間に合えば、是非見ていただきたいので持たせます。よろしくお願いします。


10/9(土)

モンシロチョウの幼虫を育てていて、繭をはった虫がコナガだと思って様子を見ていたら、今日蛾になったのですが、コナガではない気がします。 何の蛾か分かれば教えていただけますか?後、ヨトウガだと思われる幼虫も2匹観察中です。また、観察がまとまったらお知らせします。

伊原です。
この写真はヨトウガでしょう。バリエイションが多いので名前の確定ができません。

いかがでしたか?こういったやりとりが続くのがこれからの「かたつむり」のあるべき姿かなともと思っています。
是非皆さんもこのやりとりに参加してください。お待ちしています。 M.





■お知らせ■
□500号記念特集号について□

 この号に500号記念特集号を同封しましたのでご覧ください。
 なお、編集上のミスがいくつかありました。大変申し訳ありませんでした。



■お知らせ■
□江の島の市指定植物と湘南の野草□


 藤沢市民ギャラリーで右のような展覧会が開催されています。
 私たちのメインフィールドの江の島にちなんだ植物画展で、故松本副団長の奥様の松本千鶴先生が描かれています。
 松本千鶴先生の作品は私たち少年団でもおなじみですね。
 機会があったら是非お出かけください。





■お知らせ■
□原稿募集!!□

 「かたつむり」では常時原稿を募集しています。あまり肩肘張って構えるのではなく、日常に転がっている「何気ないもの」がいいです(もちろん肩肘張ったものも大歓迎!)。
 写真1枚でいいのでそこにコメントをつけて送ってください。FAXの際は鉛筆ですとかすれて読めない場合があります。ペンでなぞってから送ってください。
 首を長〜くしてお待ちしています。保護者の方からも大歓迎です。

  送り先  石井幹夫宛  
    mail fjnc_master@fjnc.sakura.ne.jp (団公式)
      bqv00023@jcom.home.ne.jp (石井個人)







この印刷物は、公益財団法人東京応化科学技術振興財団の補助を得て作成しています。