Oさん(3班)と伊原先生と
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9月2日(木)、3班Oさんのお母様から1通のメールが届きました。
このメールをもとにOさんと運営委員の伊原先生(昆虫に詳しい先生です)の間で蝶に関する様々なやりとりが続いていますので、ここで紹介します。
9/2(木)のメールに伊原先生の回答を加えました。
3班 M.O.の母です。500号の原稿の時に観察していたナミアゲハの続きです。
観察していたら、色々疑問な事が出てきたのですが、完全に調べられたわけではありませんが、一応続きを添付しますので良かったら見てください。
初めは、クロアゲハだと思っていて、脱皮して青虫になる事を知りました。
クロアゲハの幼虫も、たまたま一緒に育てて観察をしていたのですが、初めは一緒の幼虫だと思っていて、何か色がちょっと違うけど、食べ物がデコポンやレモンの葉っぱだったのでそれでかな?
と思っていたら、臭覚の色が違っていたので、違う種類だとわかって、青虫になった時も、色、模様、大きさが違いました。
16匹最初にもらって、三匹は学校のお友達にあげました。しかし、全部死んでしまったとの連絡を受けて、最後の蛹になる前の3匹をまた譲りました。
うちも、一匹青虫になれずに、黒っぽい汁がでて死んでしまいましたが、同じように育てていたので原因が分かりませんでした。
なぜ、同じ食べ物しか食べないのか?
<最初に食べたものを好んで食べますが、サンショウ以外にミカン類(柑橘系の食草)ならたいてい食べますね。
前蛹から蛹になるときに、糸が引っかからずになぜうまく脱皮できるのか?
<逆さでも大抵は蛹になります。
蛹になってさかさまにしてもなぜ同じ体勢なのか?
<蛹の状態では動けませんから元に戻れません。
蛹から蝶になるのに気温は関係あるのか?
<関係あります。気温が5〜10℃以下ぐらいになると冬眠してしまいます。
今、蝶々になった子たちは卵を産むのか?
<温暖化の影響もあり、11月頃まで幼虫を見かけます。10月頃まで産卵を続けるのではないでしょうか。
でも羽化まで、これから寒くなるのに平気なのか?
<11月以降気温が10℃以下になる頃に蛹になった個体はそのまま越冬し、来春5月頃に羽化します。今見られる個体は夏型ですが、来春の個体は翅の小さい春型で羽化します。
蝉の抜け殻はよく目にするけど、蝶々の抜け殻はなぜあまり目にしないのか?
<チョウの抜け殻はありません。脱皮は幼虫と蛹だけです。蛹の抜け殻は目立たないところで見つけることはあります。
など、不思議がまだ解決できていません。
今日で最後の9匹目が蝶々になって羽ばたいていきましたが、羽化はいつも朝方なのか、起きたら蝶々になっていたり、仕事に行く前に羽化の瞬間を2回ほど見れ感動しました。
<種類にもよりますが、羽化は早朝がほとんどです。光で反応します。
クロアゲハは、2匹蛹になっていますが、まだ羽化はしておらず、そろそろだと思っていますが、一匹は早い段階で茶色でしたが、一匹は緑でナミアゲハの時と同じ感じです。
同じ気温の所にいるのですが、何が違うのかな?と思っています。
<産卵時期の違いでしょう。アゲハとクロアゲハでは成虫になる期間は多少違います。また、食草の種類や量、環境の違いなどで差が生じると思います。
しかし蛹になった場所が違うのでそれが関係しているのか?とも思っています。
<あまり関係ないと思います。
クロアゲハも、どんな模様のクロアゲハになるか楽しみです。
<アゲハとクロアゲハは別の種類ですから、模様は全く違います。名前の通り真っ黒です。
夏休みの一か月ほぼ、毎日観察をして楽しかったです。
<Oさんはとても素晴らしい観察ができています。親御さんも一緒になって観察されて素晴らしいと思っております。
何か疑問についてのアドバイスや調べる方法などあれば教えていただけると嬉しいです。
まだ、クロアゲハの観察は続きますがお時間のある時に返信頂ければと思います。よろしくお願いします。
9/4(土)
今日、クロアゲハが羽化して無事に蝶々になって飛んでいきました。
しかし、まだ、レモンの木に沢山の幼虫がいて、それをまた、育てようと思っていますが、今、育てると、孵化は春ですか?
結構、育てながら疑問に思うことが出て来て、試行錯誤しながら育ててる感じです。
クロアゲハのメスだと思っているのですがあっていますか?青虫も結構似てるのが多くて、オスメスでも、微妙に違う事がわかったりして、調べるのにも苦戦しています(笑)
伊原です。
早速のご報告ありがとうございます。
さて、今羽化した成虫たちは再び卵を産んでもう1回くらい発生。11月頃まで成虫は見られるかもしれません。11月頃の蛹が来年の羽化になるでしょう。アゲハチョウ科は越冬は蛹のみです。
9/25(土)
前回のナミアゲハとクロアゲハは無事に羽化して飛び立ったのですが、また、第2弾を育てていて、その中の9月8日に蛹になった子が、
初めの段階から、蛹が黒かったのですが、一向に蝶になる気配がなく、もしかしたら死んでるのかな?と娘と話をしていたのですが、
写真を添付してますので、もし、何か分かることがあればよろしくお願いします。
伊原です。
蛹の色ですが、写真から判断するとやや茶色をしています。周囲の色が緑ではないので、保護色でこげ茶色を呈しています。
また、おそらく死んではいないと思われます。触ってみて、下腹部が動くようであれば生きています。
羽化する確率は1/2でしょうか。羽化数が少ないのでメスばかりの場合もあります。
環境によってオスメスの発生数に多少は関係があるかもしれませんが、研究論文を探さないとわかりかねます。
9/27(月)
25日(土)にモンシロチョウの幼虫とミノムシを頂く機会があり、育て始めましたが、ミノムシの育て方がいまいち分からず、近くの公園にどんぐりの木があるので、
そこに逃がそうかとも考えていますが、娘がかわいいから外に放したくないというのですが、死んでしまうと可愛そうなので、どうしようかと考えている所ですが、
ミノムシだけでもらったので、どんな所にいたのかとか分かりませんが、枯葉なども食べるとネットには書いてありますが、何か良い育て方などあれば教えていただけますか?
よろしくお願いします。
伊原です。
ミノガですね。エサはとりあえず幼虫がついていた樹木の葉を与えてください。できれば枝付きがいいと思います。
ミノは枯れ葉を砕いたものでもいいですが、折り紙を細かくきざんで与えるとカラフルなミノを身に着けます。
子供の頃、遊びましたよ。いろいろチャレンジしてください。
10/3(日)
ナミアゲハは、動く感じがしないので、羽化は無理そうです。
後、第2弾で育てているナミアゲハは、最初メスばかりでしたが、その後オスも続き、メス5匹、オス4匹で結果あまり変わりませんでした。
後1匹、まだ青虫の子がいるので最後まで見守りたいと思います。
それと、モンシロチョウですが、今日3匹蝶々になって飛んでいきました。
ちょっと、モンシロチョウは色々ありすぎて、また夏休みの時のたいな観察をつけていますので、出来上がったら送信するか、
10月の活動で間に合えば、是非見ていただきたいので持たせます。よろしくお願いします。
10/9(土)
モンシロチョウの幼虫を育てていて、繭をはった虫がコナガだと思って様子を見ていたら、今日蛾になったのですが、コナガではない気がします。
何の蛾か分かれば教えていただけますか?後、ヨトウガだと思われる幼虫も2匹観察中です。また、観察がまとまったらお知らせします。
伊原です。
この写真はヨトウガでしょう。バリエイションが多いので名前の確定ができません。