このレポートは、かたつむりNo.463[2019(平成31)1.12(Sat.)]に掲載されました

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紅茶染めに寄せて
いそぎんちゃく F.K.
 
 紅茶染めのような、自然にあるものから色素を採った染料を、天然染料といいます。 天然染料は、19世紀に合成染料(人工的に作り出した染料)が発見されるまでは、唯一の染料でした。 先人たちは、植物の葉や花や根、さらには虫など様々なものから色素を採りだし、媒染剤を使い、工夫を凝らして多くの色に染め上げてきたのです。 現在では、合成染料を用いれば、天然染料で出しづらい色を出したり、より手軽により細かな色の違いを出すこともできます。 しかし、デニムの藍色や紅茶の褐色は今見ても美しいと感じます。 先日、テレビで大島紬の特集をみたのですが、天然染料でここまで鮮やかな色が出るなんて…と感動してしまいました。 技術がさらに進んでも、天然染料の魅力は消えないだろうと私は思っています。

 私は服飾の学校を出たので、少しは染色にまつわる知識があるつもりでしたが、今回の食品の科学で紅茶染めを扱うことになり、 学生のころ詳しく学ばなかった染色実験をしてみて、どういう原理で生地が染まるのかということを初めて知りました。 天然染料の知識と理解を深めることができました。 タイトルは食品の科学なのに、紅茶染めの割合が多くていいのかなあとも思っていたのですが、団員の皆さんいかがでしたか? もし、興味をもったら、お家でもできるのでやってみてください。そしてその際は、やけどにくれぐれも気を付けてください。 調べたところ、4月活動でおなじみの雑草も生地を染める染料になるそうです。

 いそぎんちゃくで染色実験をするのは、何だか自由研究をしているような気持ちでした。 改めて調べて知ったことも多いので、今後の私の製作物のアイデアの足しになるのでは…とちょっと期待です。 というか、頑張ってハンカチを作ったり、鉄の媒染剤まで作ったので、役立てないわけにはいかないと思っているのが本音ですね。(;^ω^) 実は、今年の夏季活動で染色用の桜の木のチップを買っているのですが、これは今回の紅茶染めの伏線だったのかもしれないです。 (笑)そのうち、草木染でもして、面白いことができたらここに投稿したいです。


■Kさんの卒業制作
光るドレス
 染色ひとつとっても、本当に相当に化学だなあということを実感しました。服飾の学校の教科書にめずらしく化学式なんて出てくるんですからね。。 最も原始的な染料でさえ、科学に則って染まるという現象が起こるのは、非常に興味深いと感じました。 変な話、「今朝、飲んだ紅茶をこぼして、シミをつけて白いシャツが台無しになる」のだって、かなり広義で言えば科学なんですよ。面白いと思いませんか。

 生地(服)って毎日触れていてあまりに身近すぎて、わざわざ考えたりしないのですが、科学技術の結晶だなあと改めて思いました。 近頃は縫い目のない服なんてものが出てきています。ちなみに、私はLEDで光る靴なんてものも持っています。 (笑)遠い未来、人類が何を着ているか想像もできませんね。。。夢はふくらむばかりです。




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