このレポートは、かたつむりNo.275[2005(平成17)9.4(Sun.)]に掲載されました

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台風のお話
運営委員  藤 本 俊 二
 
 今年は6年ぶりに夏季活動に参加できませんでしたが、参加された皆さん、カミオカンデはどうでしたか?? あるいは残念ながら参加できなかった人は今年の夏休みはどうでしたか??

写真1 崩壊した橋  今年の8月24日から25日にかけて大きな台風12号が私達の住む関東地方に猛威を振るいましたね。 25日午後10時の時に台風は955ヘクトパスカルの中心気圧を持ち、最大風速は40mだったそうです。 この台風で電車が止まり、首都圏では交通に乱れが出ていましたね。
 台風が去った8月29日に私は過去に夏季活動(3年前かな??) で行ったこともある西丹沢に地質(岩石)の調査に出かけました。 今回は以前夏季活動でみんなと一緒に歩いたコースを歩いたのですが、そこで、 私は改めて台風のすごさというものを感じました。 西丹沢自然教室から用木沢出会いを経由して犬越路峠を目指したのですが、 昔みんなで通った橋が2箇所も壊れていたのです。私は川を歩いて渡りましたが、川の流れはかなり速く、 ほとんどの人が登山をあきらめて引き返すような状況でした。
 数多くの人が毎日乗っても壊れない頑丈な橋が台風でわずか1晩で壊れてしまったのです。 本当に台風のパワーは恐ろしいですよね。


 さてさて、ここで、少し星のお話もしたいと思います。

http://www4.airnet.ne.jp/mira/begin/constellation/Capricornus.html を見てください。

 夏の南の空の低い所には赤く輝く星があります。これはアンタレスといい、 火星の敵という意味をもつさそり座の1等星です。このさそり座を追いかけるように少し遅れて、 いて座が姿を現します。さらにそのいて座を追うように2等星以下の星が▽形に並び、目立たない星座、 やぎ座が上がってきます。上の図の中にやぎ座があるのですが、分かりますでしょうか。 上の図に線を入れると次ページの図のようになります。

  ところがところが、下の図を見てもらうと分かりますが、このやぎ座、 体の上半分がヤギで下半分が魚というちょっと変わった姿をしています。

 ギリシア神話によると、このやぎ座は森の神であるパーンが化けたヤギであると言われています。 なんでも、このやぎ座の神様パーンは歌や踊りが大好きだったそうです。そして、ある日、 色々な神様が集まってナイル川の岸でパーティーが行われました。 歌や踊りが好きなパーンは歌って踊りまくっていました。 しかし、そこにパーティーに招待されなかったティフォーン(Thpon) という神様が怪物の姿で仕返しにパーティーを滅茶苦茶にしようと襲いかかってきました。
 神様達はみんな、驚いてそれぞれ動物に化けて逃げたのですが、このパーンという神様はなんと、 歌と踊りに夢中になって全然気がつかず、逃げるのが遅れてしまいました。あらら…逃げるのが遅れたパーン、 普段はヤギに化けるのですが、ヤギに化けては逃げられない、と思い、 魚に化けてナイル川を泳いで逃げようと考えました。ところがところが、焦ってしまったのでしょうが、 体の後ろ半分は魚になったのものの、上半分はいつものヤギの姿になってしまいました。 これを見た他の神様達は大笑いしたそうです。そして、 これを記念にこのヤギは天に上げられてたとのことです。ちなみに、みなさん、 緊急のアクシデントが起こったときによく「パニック」という言葉を使うと思いますが、 このパニックという言葉はこのパーンという神様の名前からきているそうです。 そして、猛威を振るったティーフォンという神様の名前は台風の英語(タイフーン・tyhoon) の名前の由来になったそうです。
 実は台風は星の世界とも縁があったのですね。 そして、いつの時代も台風は猛威を振るう恐ろしいものなんですね。

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