このレポートは、かたつむりNo.372[2012(平成24)07.01]に掲載されました

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星空散歩 〜2012 夏編〜
いそぎんちゃく・運営委員  藤 本 俊 二
 
 いよいよ、7月に入りました。夏季活動が楽しみな季節なってきましたね。 色々な体験ができる夏季活動ですが、その中に星の観察があります。 都会を離れて、自然豊かな場所での星の観察は楽しいものがあります。 星の観察を何倍も楽しむために今回は「夏の星座の見つけ方」を紹介します。

夏の夜に南の空の高い所を見てみましょう。 3つの明るく輝く星(一等星)が大きな三角形を作っている様子がすぐに分かります。これが有名な「夏の大三角形」です。 夏の大三角形は星座の名前ではありませんが、夏の大三角を見つけることができれば、3つの星座を一度に見つけることができます。

@はくちょう座
 1等星の明るい星は「デネブ」と呼ばれ、「しっぽ」の意味があります。 十字の形が特徴的な星座で、つばさをいっぱいに広げて天の川の中を飛んでいる姿をイメージできます。 大神ゼウスが変身して王妃レダに会いに出かけるときの姿ともいわれています。 宮沢賢治著の「銀河鉄道の夜」にも登場する星座であり、南半球の「南十字」に対して、「北十字」とも呼ばれています。

Aこと座
 0等星の「ベガ」とすぐ近くの4つの平行四辺形の形からできています。 西洋の楽器「竪琴」の姿が描かれており、ベガは七夕の「織姫星」としても有名である。

Bわし座
 白く輝く1 等星「アルタイル」と近くの星を結ぶと、わしの形をイメージできます。アルタイルは七夕の彦星としても有名な星です。


ここからは、夏の大三角形を利用して夏の代表的な星座を探してきましょう。



Cへびつかい座とへび座
 アルタイルとデネブを結ぶ線を中心に夏の大三角を南側に折り返すとやや明るい星(2等星)を見つけられます。 この星は「ラスアルハゲ」と呼ばれる星です。へびつかいの頭の部分になります。 ここから将棋の形にたどると、その姿がイメージできます。

Dさそり座
 こと座の「ベガ」とへびつかい座の「ラスアルハゲ」を結んだ線をさらに南にのばしていくと、 真っ赤な1等星「アンタレス」を見つけることができます。 このアンタレスのまわりの星をS字につないでいくと、さそりの姿が分かります。これがさそり座です。 アンタレスは、「火星の敵」という意味があり、火星に負けないくらい赤く光ることからこの名前がつきました。

Eヘルクレス座
 はくちょう座の「デネブ」からこと座の「ベガ」に向かって線を引き、さらに伸ばしていくと、 うす暗い星の集まりで「H」の形を見つけることができます。 また、へびつかい座の「ラスアルハゲ」のすぐ近くに赤っぽい3等星の「ラスアルゲティ」があり、 この星がこの星座の頭となっています。この「H」の形と「ラスアルゲティ」を結ぶと、逆さまの姿となったヘルクレス座となります。 12回もの大冒険をして怪物たちを退治してきたギリシャ神話の勇士が逆さまになって見えます。

Fやぎ座
 こと座の「ベガ」とわし座の「アルタイル」を結んだ線をのばしていくと、うす暗い星で逆三角形の形を見つけることができます。 これが「やぎ座」です。やぎ座は頭がヤギの姿をしていますが、お尻は魚の姿をしている変わった星座です。

Gいて座
 やぎ座のすぐ近くに、6つの星のからなるスプーンのような形の星座を見つけることができます。 これが、「いて座」です。このスプーンの形は北斗七星に似たような形から「南斗六星」と呼ばれています。

Hこぐま座
 はくちょう座の「デネブ」とこと座の「ベガ」を結んだ線を中心にして夏の大三角を北の方向に折り返すと、 北極星を見つけることができます。北極星はこぐま座のしっぽに輝く星です。

夏の大三角から色々な夏の代表的な星座を見つけることができます。 晴れた日は星座早見盤を片手に星空の散歩をしてみてはいかがでしょうか

(画像はすべてステラナビゲータVer.8をもとに作成)


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