このレポートは、かたつむりNo.378[2013(平成25)01.12(Sat)]に掲載されました

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星空散歩 〜2013冬編〜
いそぎんちゃく・運営委員  藤 本 俊 二
 
 寒い冬の季節、星空では1等星の星たちがキラキラと輝いています。1等星は全部で21個ありますが、 そのうち、冬にみられる1等星は8個もあります。また、空の空気もきれいなため、冬は星の観察に合っている季節です。 今回は冬の星座の紹介です。


<オリオン座>
 冬の星空に目を向けると、まず目立つのはオリオン座の形です。四角い形の中に3の星が直線に並んでいる姿は一目でわかります。
 四角形の左上の赤い星は「ペテルギウス」と呼ばれ、「巨人のわきの下」という意味があります。 また、右下の白い星は「リゲル」と呼ばれ、「足のうら」という意味があります。 ペテルギウスを右肩、リゲルを左足、真ん中の3つ星をベルトに見立てると、冬の王者「オリオン」の姿がイメージできると思います。


<おおいぬ座>
 オリオン座の近くにはどの星よりも目立つぐらい明るく輝いている星をすぐに見つけることができます。 この星は「シリウス」と呼ばれ、「焼きこがす物」という意味があります。 この「シリウス」はおおいぬ座の口になります。
 シリウスの南にある3等星を「へ」の字型に結ぶと、おおいぬのしっぽを見立てることができます。 「シリウス」と「への字」を結ぶと犬の姿がイメージできると思います。


<こいぬ座>
 「ペテルギウス」、「シリウス」の近くもう一つの明るいを見つけることができます。この星が「プロキオン」です。 この「プロキオン」はこいぬの心臓のあたりになります。 2つの星だけでこいぬの姿をイメージするのはむずかしいかもしれませんが、場所はすぐに見つけることができます。


<冬の大三角>
 星座の名前ではありませんが、オリオン座の「ペテルギウス」、おおいぬ座の「シリウス」、 こいぬ座の「プロキオン」を結ぶと、「冬の大三角」を見ることができます。


<おうし座>
 オリオン座の3つ星を東に真っすぐ伸ばしていくと、オレンジ色の星「アルデバラン」を見つけることができます。 この「アルデバラン」の周りの星でV字を作ってあげると、目の部分から角までを見立てることができます。 また、このおうし座の背中の部分には「すばる」が見えます。「すばる」は、星がたくさん集まった散開星団のことです。 肉眼でも6〜7個の星の集まりが確認できます。大昔の人は「すばる」を使って視力検査をしたとも言われています。


<ぎょしゃ座>
 おうし座の「アルデバラン」から北に向かって伸ばしていくと、黄色の星「カペラ」を探すことができます。 この「カペラ」の周りで将棋の駒のような五角形を作ると、ぎょしゃ座になります。 五角形の左側の部分は、おうし座の左の角からそのままつながっています。


<ふたご座>
 ぎょしゃ座の「カペラ」からぎょしゃ座の五角形の左側部分を通り越していくと、明るい星が2つ並んでいるのを見つけることができます。 1つは「カストル」、もう1つは「ポルックス」と呼ばれています。「カストル」は白色をし、「ポルックス」はオレンジ色をしています。 この2つの明るい星が顔となり、それぞれの星から体があると見立てていくと、ふたご座の姿をイメージできます。
 「カストル」と「ポルックス」はごっちゃになることがよくあります。 分からなくなった時は、「カペラ」に近い方が「カストル」で「カ」でつながっているとおぼえておくと、分かりやすいと思います。


<冬のダイアモンド>
 ここまで紹介してきた星を使うと、冬のダイアモンドを作ることができます。 おおいぬ座の「シリウス」、オリオン座の「リゲル」、おうし座の「アルデバラン」、ぎょしゃ座の「カペラ」、 ふたご座の「ポルックス」、こいぬ座の「プロキオン」を結びます。 星座ではありませんが、このような立派なダイアモンドを見ることができるのは冬の季節だけです。


<エリダヌス座>
 名前だけ聞いてもよくわからない星座ですが、「エリダヌス」は川の神様の名前です。つまり、エリダヌス座は川の星座なのです。 目立つ星が少ないため、流れる川をイメージするのはむずかしいかもしれません。 ただ、スタート地点はオリオン座の「リゲル」なので、場所はすぐに見つけることができると思います。


 他にも冬にはきれいな星座が多くあります。寒い季節なので、防寒対策をしっかりして星座早見盤を片手に冬の星空を楽しんでみてください。

    *図は全てステラナビゲーターVer8をもとに作成。

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