このレポートは、かたつむりNo.384[2013(平成25)05.19(Sun)]に掲載されました

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星空散歩〜2013春編〜
いそぎんちゃく・運営委員  藤 本 俊 二
 
 夕方、日がしずむ時間もずいぶん遅くなりました。南の空には春の星座が見られるようになってきました。 今回は春の星座を紹介していきます。

おおぐま座 <おおぐま座>
 北の空の高い所を見てみると、すぐにお墓参りなどで使う「ひしゃく」の形をした星の並びを見つけることができます。 これが有名な「北斗七星」です。しかし、「北斗七星」は残念ながら、星座の名前ではないんですね。 この「北斗七星」はおおぐまのしっぽの部分になっています。 北斗七星の星の並びを「おおぐまのしっぽ」という語呂で覚えておくと、北斗七星がおおぐま座であることがすぐにわかります。 「しっ」は一文字でカウントしていますが、ここには「アルコル」と「ミザール」という二重星があるため、一文字でカウントされています。
 ひしゃくの水をくむ場所のまわりを四角形につなぐと、おおぐまの体ができます。
 このおおぐま座を見つけることができると、春の色々な星座を見つけることができます。


うしかい座 <うしかい座>
 おおぐま座のしっぽから弓なりに反りかえったカーブをのばしていくと、オレンジ色の明るい星を見つけることができます。 この星がうしかい座の「アークトゥルス」という星です。 この「アークトゥルス」から北にネクタイのような形に星をつなげていくと、うしかいの姿を見ることができます。
 「アークトゥルス」は6月の麦刈りの時期に頭上で輝くので、日本では古くから「麦星」と呼ばれています。


おとめ座 <おとめ座>
 おおぐま座のしっぽから、うしかい座の「アークトゥルス」にのばしたカーブをさらにのばしていくと、白色の明るい星を見つけることができます。 この星は「スピカ」と呼ばれています。このまわりを横にしたAの文字のように星をつなげていくと、おとめ座になります。 おとめ座は全天で2番目に大きい星座で、農業の女神と言われています。 「スピカ」は女神が持っている麦の穂になっています。
 また、オレンジ色の「アークトゥルス」と白色の「スピカ」は春の夜空でとても明るく輝いています。 そのため、日本ではこの2つの星を「春の夫婦星」と呼んでいます。


からす座 <からす座>
 「スピカ」までのばした曲線をさらにのばしていくと、四角形の星の並びを見つけることができます。この星の並びが、からす座です。
 おおぐま座の「北斗七星」から、うしかい座の「アークトゥルス」、おとめ座の「スピカ」、からす座の四角形をつなぐ、 大きなカーブを「春の大曲線」と呼んでいます。


うみへび座 <うみへび座>
 からす座のすぐ真下はうみへび座の背中になっています。 うみへび座は全星座の中で一番大きい星座です。このうみへび座の背中にはからす座のほかにコップ座やろくぶんぎ座も乗っています。


しし座 <しし座>
 うしかい座の「アークトゥルス」とおとめ座の「スピカ」、しし座の「デネボラ」をつなぐと、三角形を作ることができます。 これを「春の大三角」と呼んでいます。「アークトゥルス」と「スピカ」、この2つの星の西側にある明るい星で三角形をつくることができれば、 しし座のしっぽを見つけることができます。
 さらに北斗七星の「ぐ」の星から腕をのばしてげんこつ3個分、南に目を向けると、「?」の記号を裏返しにした星の並びを見つけることができます。 この星の並びがしし座の頭の部分になります。この「?」を裏返しにした星の並びは「なてはのマーク」、「ししの大がま」とも呼ばれています。 「なてはのマーク」の一番下の部分には明るく輝く星があります。この星は「レグルス」と呼ばれています。


<りょうけん座>
 うしかい座の「アークトゥルス」、しし座の「デネボラ」、りょうけん座の「コル・カロリ」を結ぶと、三角形ができます。 りょうけん座は「コル・カロリ」とそのとなりの星を結んで2匹の犬となっているため、その姿を想像するのは難しいかもしれません。 「コル・カロリ」は「おおぐまのしっぽ」の「の」の部分から「スピカ」向かってのばしていくことでも見つけることができます。


春のダイヤモンド  <春のダイヤモンド>
 うしかい座の「アークトゥルス」、りょうけん座の「コル・カロリ」、しし座の「デネオボラ」、 おとめ座の「スピカ」をつなぐと、「春のダイヤモンド」となります。


 まずは北斗七星を見つけて、色々な春の星座を探して春の星座の散歩を楽しんでみてください。

*図は全て「ステラナビゲーターVer8」をもとに作成しました。



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