このレポートは、かたつむりNo.479[2020(令和2)02.16(Sun)]に掲載されました

戻る

宇宙のものさし
運営委員 藤 本 俊 二
 
 2019年度の1月活動(星の観察)は残念な天気となってしまいました。 今回は1月活動後半のお話しの中で中途半端になってしまった“距離のお話し”と帰り際にある団員から質問があった“光年のお話し”をしたいと思います。
 みなさんもよく知っているとは思いますが、距離の単位は小さい方から、 “ミリメートル(mm)”、“センチメートル(cm)”、“メートル(m)”、“キロメートル(km)”と大きくなっていきます。 ここまではみなさんもイメージが湧きやすいと思います。ちなみに、余談ですが、小田急線の片瀬江ノ島駅から湘南台駅までを直線でつなぐと約10kmの距離と言われています。

 地球のおなか周りともいえる赤道の1周の距離が約4万kmと言われています。時速4kmの速さで歩き続けると、
40000(km)÷4(km/h)=10000(h)、
つまり、1万時間かかります。これを日数で考えますと
10000(時間)÷24(時間)=416(日)
となります。
ということは、赤道1周を24時間、休みなくひたすら歩き続ければ、1年と51日掛かることになります。
 さて、みなさんに一番なじみのあるかもしれない天体は“月”かもしれません。 地球から月までの距離は約38万kmです。 正確な数字ではありませんが、赤道1周の距離の約10倍になりますので、24時間休みなく歩き続けると、地球から月までは約10年掛かるという計算になります。 月までの距離でも遠く感じてしまいますが、これでも宇宙の世界では近い方になります。
 地球から、太陽は約1億5000万km離れています。土星が14億kmになります。 これ以上は数字が大きくなりすぎて分かりにくくなってしまいます。
 そこで、天文学の世界では約9.5兆kmを1光年とすることで、イメージを持ちやすくしています。 1月の活動で話が出てきていたM31アンドロメダ銀河は230万光年になります。つまり9.5兆×230万kmということになります。 また、M45プレアデス星団(すばる)は408光年、つまり9.5兆×408Km離れていることになります。 Kmで考えると大きい数字になってしまいますね。でも、光年で表現するとイメージしやすいかもしれません。
 宇宙は本当に広くてはかないものですが、単位やものさしを上手に使うことで身近なもの感じるかもしれません。
 この図は、“宇宙のものさし”といって、目盛りが1cm進むと地球からの距離が10倍になります。色々な天体がどれだけ地球から離れているのかが分かるかと思います。 それだけ、遠くのものを私たちは望遠鏡などを使って見ようとしているのです。



戻る