このレポートは、かたつむりNo.412[2015(平成27)04.19(Sun.)]に掲載されました

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新米団長の独り言1
団長 石 井 幹 夫
 
 みなさん、こんにちは。新米団長の石井です。 これからできるだけ毎月「新米団長の独り言」コーナーをお届けしようと思っています。是非読んでください。
 さて、第1回は入団式でお話したことの抜粋です。この藤沢市科学少年団はどんな団体なのかをもう一回考えてみましょう。

 ところで、藤沢市科学少年団。一体どんな団体なのでしょう?
 よく卒団する中学校3年生が「理科の点数が上がる」「理科の成績がよくなる」と話してくれますが、 本当にそうなのでしょうか。私たちの少年団は、まず学校の理科と同じ内容の活動は行いません。 それどころか、私たちは入団説明会で「理科の成績が上がることは期待しないでください」と明言しています。 なのに、私たちの期待に反して「理科の成績が上がったちゃう」。なぜでしょう。
 私たちが団員の皆さんに身に付けて欲しいと願っているのは「科学する心」です。 また、この藤沢市科学少年団は、「不思議を探す」ところです。「不思議を感じる」ところです。 そして「不思議を考える」ところです。決して「不思議の答えを教えてもらう」ところではありません。
 学校の理科の時間には、理由はどうでもよくて、結果だけを知りたがる人が多くいます。 結果さえ覚えておけば、とりあえず理科のテストで良い点を取ることができるからです。 実験しても、実験の内容はどうでもよく、結果をほしがる人が多くいます。 学校のテストでは、それはそれで良い点が取れるのかもしれませんが、でもそれだけです。 それ以上の膨らみは期待できません。
 この少年団。学校で勉強することはことごとく無視しています。目先の知識が目的ではないからです。 その中で団員の皆さんが皆さんなりに「あーでもない,こーでもない」と真剣に考える。 このことが皆さんの大きな力になるのではないでしょうか。 こうした態度が学校の理科の内容に関しても「しっかり理由を考える」力として定着し、 その副産物として成績が上がるのでしょう。
 少し前に長野県に宿泊活動に行きました。そこで、小学生の団員が当たり前のように「内帯、外帯」と話していました。 この「内帯、外帯」はおそらく理科系の大学生でも専門に扱っていなければ理解不可能な言葉です。 それをこともなげに使いこなしている小学生を「すごいな」と感じました。

■昨年10月8日の皆既月食  ウィキペディアより
 話は変わりますが、昨日の皆既月食、見ましたか?残念ながら曇っていて見ることができませんでしたね。 皆既月食は不思議のかたまりです。どうして月が隠されてしまうのか。どうして満月の時にしか起きないのか。 どうしてたまにしか起きないのか。どうして皆既中の月は赤く見えるのか。 そして、どうして曇ってしまうのか。考えたことはありますか。
 私たちの身の回りには「不思議」がゴロゴロしています。それを不思議と捉えることができるか。 当たり前じゃんと見過ごしてしまうのか。ここが運命の分かれ道なのかもしれません。
藤沢市科学少年団の団員の皆さんには、是非日常の不思議を不思議として感じてもらい、そのわけを考えてもらう。 そんな人になって欲しいと願っています。
 新入団員の皆さんにはちょっと難しい話だったかもしれません。 でも、これから一緒に身の回りの不思議を探す旅に出ようではありませんか。 その旅では班の先輩たちやいそぎんちゃくのお兄さんお姉さんがいろいろ教えてくれます。 分からないことがあったら遠慮なく上級生に聞いてください。そしてみんなで不思議を解決していきましょう。
次回は、団のシンボルマーク「かたつむり」についてお届けする予定です。

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