このレポートは、かたつむりNo.417[2015(平成27)09.13(Sun.)]に掲載されました

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新米団長の独り言7  えっ?藤沢で竜巻!!
団長 石 井 幹 夫
 

■日大校内で倒れた桜(報告書より)
 皆さんこんにちは、新米団長の石井です。いかがお過ごしですか?
 さて今年の夏季活動の2日目(8月17日 月曜日)、とんでもないニュースが飛び込んできました。 この日は1日中本降りの雨にたたられ、予定を大幅に変更しながら活動していました。 いそぎんのお兄さんお姉さんには「今日の天気図楽しみだね。何でこんな天気になったのかじっくり解説してね!」 なんて軽口を叩いていたのですが、・・・。
 当時のニュースによると、この日の14:10ころに藤沢市亀井野で突風が吹き、物置や木などが倒れたとのことでした。 電線も切れ1200軒で停電も起きたそうです。
 最初の思いは「えっ、藤沢で?」でした。全国各地で竜巻が報告されていますが、まさか地元の藤沢でそんなことが起こるはずがない。 根拠のない自信があったからです。そして次に団員の家はどうなんだろう?大丈夫かな?そんな気持ちで一杯になりました。 幸いどのご家庭からも連絡が入ることはなく、ほっとしたことを覚えています。
 翌日、気象庁の担当官が現地調査に入り、正式に「竜巻」と認定しました。そして規模は藤田スケールでF0でした。
 以下、その報告書 (現地災害調査速報 平成27年8月17日に神奈川県藤沢市から横浜市泉区にかけて発生した突風について 平成27年8月27日  http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/new/2015081710/20150827_yokohama.pdf   から引用してみます。



■当時の天気図(上)と雲の写真(下)
1 突風の原因
 8月17日14時00分頃、藤沢市から横浜市泉区にかけて突風が発生し、住家のスレート瓦のめくれや落下、根の浅い樹木の倒木、物置の転倒などの被害が発生した。 このため8月18日、横浜地方気象台は職員を気象庁機動調査班(JMA−MOT)として派遣し、現地調査を実施した。調査結果は以下のとおりである。
1-1 突風の原因の推定
(1)突風をもたらした現象の種類
 この突風をもたらした現象は、竜巻の可能性が高いと判断した。
(根拠)
  • 被害の発生時刻に被害地付近を活発な積乱雲が通過中であった。
  • 痕跡から推定した風向に収束性を示す部分があった。
  • 被害や痕跡は、断続的であるが帯状に分布していた。
  • 激しい風はごく短時間であったという証言が複数あった。
  • 「ゴー」という音の移動があったという証言が複数あった。
(2)強さ(藤田スケール)
 この突風の強さは藤田スケールでF0と推定した。
(根拠)
  • 住家のスレート瓦のめくれや落下が複数あった。
  • 根の浅い樹木の倒木が複数あった。
  • 物置の転倒があった。
(3)被害の範囲
 被害範囲の長さは約8.2km、幅は約180mであった。
参考:藤田スケールF0の規模とは、
F0:17〜32m/s(約15秒間の平均)
テレビアンテナなどの弱い構造物が倒れる。
小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。
非住家が壊れるかもしれない。




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