このレポートは、かたつむりNo.540[2024(令和6)07.07(Sun.)]に掲載されました

戻る

科学少年団風”七夕”
団長 石 井 幹 夫
 
 今日は7月7日、そう七夕(たなばた)の日ですね。皆さんは七夕についてどんなことを知っていますか? 織姫様と彦星様の物語は他の方にお任せし、ここでは科学少年団風七夕をお届けします。

1.本当は旧暦の7月7日

 七夕は皆さんご存知の通り7月7日です。この日は晴れないと織姫様と彦星様は出会えないのでしたね。 皆さんの記憶の中で、この日が晴れたと言うことはありますか?実は私の記憶の中ではないんです。 つまり永遠に二人は出会うことができない!
 そうではないんですね。もともとの七夕伝説は「旧暦」の7月7日です。そして今は「新暦」。 旧暦の7月7日はざっくり言うと今の8月7日頃です。 本当はバリバリの梅雨まっただ中ではなく、夏になり天候が安定している頃のお話しなんです。 そうすれば今より出会いの数はうんと増えているでしょう。
 また、旧暦は月(つき)を中心に考えた暦で、旧暦の7日は月齢が7です。 ということは半月の月が夜空に輝いていたはず。 半月と,天の川と織姫星と彦星(あと白鳥も)が夜空を彩っていたんですね!
 街が明るいので、藤沢で天の川を観ることはできなくなってしまいました。昔は見えたような記憶があります。 私が小学生の頃は見えたような、その後何かと忙しくなり夜空を見るチャンスはなくなってしまいました。 そして、理科の教員になってから「そうそう,天の川!」と空を観たら、 全然見えなくて悲しい思いをした記憶があります。
 皆さんは、是非旅行や帰省で空が暗い場所に行ったら天の川を探してください。


https://tenki.jp/suppl/kous4/2022/07/07/31258.html

2.本当に出会えるの?

 織姫星はこと座の「ベガ」、彦星はわし座の「アルタイル」です。この2つの星座は天の川の両岸にあります。 そして,天の川には白鳥が優雅にいますね。 はくちょう座の「デネブ」をあわせて夏の大三角形と呼んでいるのは、みんなよく知っている通りです。
 さて、ここからのお話しは「本当の距離」です。 地球から見れば天の川なってほんの一またぎですが、・・・。
 地球からの本当の距離はベガが約25光年、アルタイルが約17光年です。アルタイルの方が少し近いのですね。 それにしても17光年とは!光の速さ(30万km/秒)で17年かかる遠さです。 今、夜空に輝いているアルタイルは17年前の姿、ベガは25年前の姿です。 星を見ていると過去に旅をすることができるんですね。 まるでタイムマシンのようです。
 では,ベガとアルタイルはどのくらい離れているのでしょうか?
 答えは14光年ちょっと(14.4光年:東京天文台)です。 別れ別れにさせられたあと、お互いの顔を見つめたら、その顔は14年後になってやっと見えるんです。
 何かとても不思議か感じがしませんか?


戻る