このレポートは、かたつむりNo.543[2024(令和6)10.14(Mon.)]に掲載されました

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ん?大雨警報!(3)
団長 石 井 幹 夫
 
 前回は、大雨警報のうち「浸水害」についてお話ししました。今回はもう一つの「土砂災害」です。
 土砂災害は「土壌雨量指数基準」で判定します。

土壌雨量指数
 土壌雨量指数とは、降った雨による土砂災害危険度の高まりを把握するための指標です。
 大雨に伴って発生する土砂災害(がけ崩れ・土石流)には、現在降っている雨だけでなく、 これまでに降った雨による土壌中の水分量が深く関係しており、土壌雨量指数は、 降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを、タンクモデルを用いて数値化したものです。 土壌雨量指数は、各地の気象台が発表する大雨警報(土砂災害) や土砂災害警戒情報等の判断基準に用いています。
 土壌雨量指数そのものは相対的な土砂災害危険度を示した指標ですが、 土壌雨量指数を大雨警報等の判断基準と比較することで土砂災害発生の危険度 (重大な土砂災害が発生するおそれがあるかどうかなど)を判断することができます。 これらの判断基準は過去の土砂災害発生時の土壌雨量指数等を調査した上で設定しているため、 指数計算では考慮されていない要素(地盤の崩れやすさの違いなど)も判断基準には一定程度反映されています。 土砂災害発生の危険度を判定した結果は「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」で確認できます。
 雨がやんでも、土中の水分は簡単には減少しません。 土中の水分が危険のない量になるまで警報は発表され続けるので、 特に土砂災害関連の大雨警報はそう簡単には解除されないのですね。

最後に、藤沢市の警報基準を紹介します。現在気象庁では市区町村別に発表基準を決めていますので、 もしかすると茅ヶ崎市や鎌倉市と違うかもしれません。それだけきめ細かく判定しているのですね。

藤沢市   大雨警報 (浸水害) 表面雨量指数   15(11) (  )は注意報基準
      (土砂災害) 土壌雨量指数   105(77) (  )は注意報基準
 まあ、数字を見ても全然ピンとこないけど、この数字が基準となって警報が発表されています。

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