このレポートは、かたつむりNo.270[2005(平成17)4.17(Sun.)]に掲載されました

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保険そして救急救命
運営委員 道 上   定
 
 科学少年団では万が一の事故に対して次の3つの保険に加入しています。 @スポーツ安全保険Aボランティア事故共済B市民活動災害補償保険の3つです。
 @は(財)スポーツ安全協会が契約者となり、 地域活動・ボランティア活動を含めたいわゆる杜会教育関係団体としての科学少年団の構成員を被保険者として、 損害保険10社との間に傷害保険および賠償保険を一括契約しています。 団員はもちろんですが、いそぎんちゃくのメンバーと指導する運営委員の先生方も入っています。 Aは(社)神奈川県青少年協会が契約者となり、やはり損害保険会社が共同で引き受ける共同保険契約です。 この保険は自発的な意志により他人や社会に貢献することを目的とし、しかも非営利の活動、 つまりボランティア活動に対するものですから、指導の先生方といそぎんちゃくのメンバーが加入しています。 指導に熱心なあまり先生が、あるいはいそぎんメンバーが日射病や熱射病、 いわゆる熱中症になったときも救済されます。 Bの市民活動災害補償保険は藤沢市市民自治推進課が窓口となっています。
 しかし・いずれの保険においても地震、津波、噴火、 戦争・暴動などを事由とする事故では保険金は支払われません。

 と言うわけで・保険については予算の1割ほどを充てているのですが、 過去には地震に遭遇しながら保険事故にはならないで済んだという幸運にも恵まれました。 もっともこのときは先生方のとっさの判断が被害を未然に防いだのですが…。 あの西丹沢の地震はこわかったです。
 お気付きのように保険とは性格上事故が起きてからそれに対する損害の補填です。 事故は最小限に止めねばなりません。

 救急・救命の講習ではかならず「カーラーの救命曲線」を説明します。 緊急事態における経過時間と死亡率をグラフにしたものです。 たとえば心臓停止してから3分そのままにしておくと死亡率50がパーセントとなり、 乎吸停止して1O分間放置しておくと死亡率50パーセント、 出血では30分間そのままにしておくと同じく死亡率は50パーセントになるというもの。 それほど初期の手当てが緊急を要するというのです。 因みに救急車が消防署を出て現場に到着するのにおよそ6,7分かかります。 マンションなど高層ビルではそのぶん余計にかかります。 ですから傷病者の発見と同時に行動を起こさねばなりません。 幸いにも科学少年団では養護の先生が運営委員として活動しておりますから、事なきを得ています。 もちろん、かといってなにもなかったかって?とんでもない。 いろいろと重大なことにならないうちに手当てし判断する養護の先生はじめ係りの先生がいるからこそ 「よかった、よかった」となる訳でして…。
 正直いって[先生方が無報酬で、よくここまで、他人の子どもの面倒を見れるよなぁ]と私は思います。 同時に先生方が「もう手伝えません、苦情だけが伝わってくるようでは」と言われはしないか、と。 保護者の方は想像力をたくましくして欲しい、私はそう思います。

 さて、この春から応急手当普及員講習にAED操作が導入されました。 咋年夏の厚生労働省から各県あての通知によるものです。 救急救命では従来、早い119番通報、早い心肺蘇生法を一般市民に期待していたのですが、 さらに市民にもAEDの使用が認められ、ここまで担当してもらおうというものです。
 AEDとは自動対外式除細動器のこと。 藤沢市では17年度の主な事業として救命救急センター建設工事関係として12億4干6百万円を計上、 18年度開設を目指しています。 あわせて救急高度化事業として1695万あまりでAEDの整備を予定しています。 このAEDで心臓の心室細動を取り除き正常に戻そうというものです。
 操作は至って簡単ですから、機会があったらぜひ受講して下さい。

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