健康寿命を延ばすために |
運営委員 道 上 定 |
ポリープが3コありましたので、取っておきました。いえ、ほんの小さいものです、といわれたのが、
7年ほど前。そしてそのままになっていたので、大腸の内視鏡検査を予約し1月中旬、検査を受けました。
検査前日は普段通りの食事。ただし消化の良いもの。
そのあと下剤を溶かした水600ミリリットルを飲む。(そしてトイレに通う) 検査当日。午前8時から正午過ぎまでかかりました。 1.5リットルの腸管洗浄剤を1時間30分かけて飲みます。薄味のオレンジ風味でした。 (前回は2リットルを1時間以内に、といっていたはずだが、と看護師に聞いたら、 その後指導があって「ゆっくりと時間をかけて飲むよう」変更になったとのこと)。 とうぜんトイレにいったりきたり。 内視鏡という光学系のもので腸の壁を見るために行う洗浄ですし、 胃内視鏡検査と異なり徹底的にやります。「仕上げ」に浣腸をやります。 出るものが透明になると軽い鎮静剤の注射をうたれ内視鏡…となります。 検査じたいは10分程度。 「1つ小さいものがありましたが、取る必要もありません。問題ありません」との診断結果でした。 やれ、成人病だ、生活習慣病だなどとミミタコ状態のうえにさらに、少子高齢化社会到来が加わって、 なにか得体のしれない社会構造が液晶画面を見るような心持ちになっています。 現象が入り組んできて、しかも重層的に見えます。その例がこどもたちの肥満や高血圧。 がんらい食物不足に耐えられるよう倹約遺伝子が働いて脂肪などため込むような仕組みになっている、 そのような体になっているのに、近ごろの社会ときたら体をうごかさずに飲んだり食べたりできる いわゆる第3次産業のようなものがおおはやりです。一攫千金というか、勝ち組指向というか…。 地球誕生あるいは人間誕生以来きびしい飢えとの闘いの中で獲得していった倹約遺伝子の変性がなされないまま、 飽食・過食の時代を日本は迎えているわけです。そのほころびが生活習慣病です。 たしかに日本は長寿国になりましたが、ていねいにその中身を見てみると、すなおには喜べないのです。 平均寿命は延びても、その質つまり健康寿命が延びなければ「少子高齢化」は暗いものになります。 WHO報告によると、私たちの国の健康寿命は男72.3歳(平均寿命78.32歳)、 女77.7歳(平均寿命85.23歳)、男女平均75.0歳で世界一ではあります。が、今後は怪しい。 この親にしてこの子、の現象があちらこちらで見て取れるからです。 健康障害を持ちながら生きていく期間、つまり平均寿命と健康寿命との差をどう短くするか、 これがいま大事なのです。 昨年(平成17年)7月、厚生労働省と農林水産省の合同検討会で、 1日に必要な食事の摂取量とメニューが一目で分かる「食事バランスガイド」が決定・作成されました。 栄養の知識がなくても何をどれだけ食べたら良いのか、 大まかな食事の目安が料理の絵で把握できるようにしたものです。 図のようにコマの形をしています。食事のバランスがくずれるとコマが倒れてしまうことを意味しています。 コマの回転で運動を連想させ、回転していることが安定を表しています。 コマの軸に食事中の水分を、コマのひもにお菓子や嗜好飲料の意味を持たせています。 この「食事バランスガイド」ポスターは、 全国のコンビニエンス・ストアにこの春からいっせいに張り出されるはずです。 コンビニで購入のつもりで手に持ったそのお弁当は、あなたにほどよい分量でしょうか? それとも、もっと運動しますか。 |