このレポートは、かたつむりNo.355[2011(平成23)05.15(Sun.)]に掲載されました

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健康でげんきな電気
運営委員 道 上   定
 
 「古来稀なり」と言われる70歳を迎えるので現役から引退します、とご挨拶をいただきました。 口の中のカルシウムの固まりを抜き取り、金属の固まりを埋め込むお仕事。
 歯科医をなさって40年。そしていま70歳。「診療に万全な気力・体力に不安を感じ」て、とのこと。 患者の私にとっては非常に困るのですが、それは私の勝手な都合。なにはともあれお疲れさまでした。

 医学生は実習で系統解剖学を学び、共用試験もあるし、歯学生は「ガルバー二電流」も経験するでしょう、 ガルバー二電流はバレンタインのとき、義理チョコもらって銀紙ごと口に放り込んで「いやな感じ」を受けたことありませんか? あれ、です。(わたしだけか。)銀紙は通称で、ふつうアルミ、ときによってスズ箔。 異種金属がその間の電位差を発生し、それがへんな刺激となるのです。だから、できるだけ同じ金属を使うようです。 これからヒントを得てボルタは電池を考案したのです。

 電池と言えばこの夏の計画停電という「強制停電」はほんとうにないのか知らん。大容量の電池探そうか、とひとまず藤沢駅前の家電量販店に出かけました。  「無停電電源装置」として販売していましたが、これはホンの一瞬の停電からPC内部のプログラムやデータを守るためのもの。 したがって持続時間は15分から30分位しかありません。私が考えていたのは冷蔵庫を4・5時間稼働させるもの。「扱っておりません」とのこと。 後日分かったことですがこれほどになると150万円以上するとのことです。
 無停電電源装置には「電気二重層キャパシタ」が、大容量電源装置には「リチウムイオン電池」が使われているようです。そんな訳であきらめています。

 そんな中、一年中で一番電気使用量の少ないゴールデンウイークの翌日、内閣総理大臣が「浜岡原子力発電所の原子炉停止を中部電力に要請しました」と発表。
 2年前に運転終了し廃炉が決定している35年前の1号機・2号機、定期検査中の3号機に加えて稼働中の4、5号機も停止する。 理由は東海地震の震源域のど真ん中に建設されており、そこへ30年以内にマグニチュード8程度の地震が発生する可能性が87パーセントだから。と、いってもねえ。 30年が40年だったら、M8がM7だったら、87%が75%だったらどうします?地震発生のメカニズムは分かりますが地震予知として規模と時刻は無理でしょう。 歴史地震でおおまかに推測する程度です。

 とうとう富士川を西に渡って周波数60サイクルの圏域に計画停電がはじまる、と思いました。 ジャスト・イン・タイムとはトヨタが看板にしている自動車組み立て生産方式。部品のストックをなくし、必要とするときに組み込む。 時間・空間の無駄をなくそう、とするものです。電力の需給も似ています。
 さて、60サイクル圏はどのようにコントロールするのでしょうか。

 あなたなら健康でげんきな電気を、どう見つけますか。

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