人は進化したか? | ||
運営委員 道 上 定 | ||
欧州では、経済危機が吹き荒れ、政治が混乱しています。ギリシアの財政破綻寸前の模様を市場が攻撃しているためです。
ドル安・ユーロ安で円高になっています。円高は「円の価値が上がる」ことですから日本にとっては外国から安く輸入でき、
安く提供できることになり、輸出は反対に高いものとなります。
したがって単価の高い自動車などのメーカーは外国で売れなくなるのが、困るのです。
円高の積極的な理由もなく「結果円高!」は手の打ちようがありません。市場原理にまかせているからです。 ユーロの各国首脳の困憊ぶりには同情しますが、もともとアメリカ発のリーマンショックあたりからの動きだったわけです。 円高もはじめは日本の技術力・開発力に対する評価と見ましたが近頃は「ほかよりはマシか」の「消去法」での結果円高です。 大国の若いエネルギーは頼もしい限りですが、欧州の各国の風土と時代に鍛えられてきた行き方に注意を向けたいと思います。 そのような訳で今回の経済危機は自然現象ではないのですから金融政策を核にした政治的解決策があるはず。 いつも大被害を被るのは労働力を提供するしか売るものがない私たちです。おだやかに暮らしてきたのに…。 地震や津波は自然現象です。 そしてそれが人の関わるところでは「災害」となって現れます。 3月の東日本大地震では2万人ちかくの死者・行方不明者とこれからどうすればよいかの、問題を山積みして立ちはだかっています。 残念なことに地震も津波も一つ一つが違うものです。「予知」は経験の科学でもはるかに遠い先のことです。 8月に『世界に貢献する港湾空港技術」の独立行政法人・港湾空港技術研究所を見学させてもらったのですが、 巨大な実験装置がところ狭しと建設され、それぞれ駆動ケーブルとセンサーからのワイヤーの束が足の踏み場もないくらいにのた打ち回っています。 残念ながら「節電中」で動かしてもらえませんでしたが。実験現場を見て分かることですが、機械は微妙な、不規則な動きは苦手です。 起震も津波発生装置も大掛かりでその分大きいのですが、力ずくでねじ伏せる感じで、自然現象との結びつきが再現されているのかどうか。 この研究所では技術情報誌の中で「津波死者ゼロをめざして大津波から人々を守る技術と対策」を昨年10月に特集しているのですが、 残念ながら今回の大津波は「想定外」だったようです。
今後どうなるのか誰にもわかりません。結果責任を誰がとるのか?これもわかりません。 言えることは「放射線は国民全員が浴び続けることになるでしょう。量は別として。 したがって「安全・安心の原子力発電の解決策が見当たらない、研究途上の科学としては市民の犠牲があまりにも大きい』原子力工学は止める! 持続可能な社会を目指すためには。 放射線量に「閾値」がある、ない、の2つの見解があります。すこしなら大丈夫。とんでもない、少しでも放射線はよくない、の2つです。 ラドン温泉、ラジウム温泉が日本には5か所ほどあります。病気に効いているのだか効いていないのか。 いずれにしても問題になったことはありません。
ほかの研究者もガスの成分を変えたり、放電の代わりに紫外線、熱、 衝撃波そして放射線を当てても生き物の元となるアミノ酸ができたというのです。 先を急ぐと、単細胞から多細胞へ、ミトコンドリアとかボルボックスへ。進化の波に乗って、または利用して進んでいく。 私は閾値ではなく、「とき」と「ばあい」で大きく先の状況が変わる、と考えています。 |