このレポートは、かたつむりNo.363[2012(平成24)02.19(Sun.)]に掲載されました

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どうする?貿易立国
運営委員 道 上   定
 
 わが国の2011年の輸出から輸入の額を引いた貿易収支は2兆4927億円の赤字だった。 財務省が前月下旬発表した貿易統計です。赤字は31年ぶりとか。大震災や円高やタイでの洪水、 発電所の燃料輸入など、大きな理由のようです。
 でも長期低落は別にあります。電子立国の心意気や金型制作の誇りまでなくしている現状です。 スイス、イタリア、フランスを見てください。 「手作業で」それぞれのブランドを高値で維持しているではありませんか。 電子情報技術産業協会が発表した11年の薄型テレビの国内出荷台数は01年の統計開始以来の減少と。 32型の薄型テレビは10年末は63200円が、11年末には37400円になっていました。 日立ではテレビ生産から撤退を言い出しました。 1968年キドカラー(輝度と稀土とを連想するネーミングです!)のブラウン管を考案し、好評だったのです。

 ここでの稀土はユウロビウム、テルビウムです。レアアースです。少し入れるだけで発光がよくなるのです。
 レアメタル、レアアースは多くはいらないのですが、あると抜群に性能が向上するのです。
 日本は資源らしい資源がありません。材料を輸入し、加工・組み立てて輸出して成り立っているのです。 レアアースのうち自動車や家電のモーターに広く使われているジスプロシウムは高騰のけはいなので、ほかに代替えできないか研究中です。 ネオジムも磁力が強まると小型モーターのマグネットに使われますが、大型の汎用モーターには他の方法があるはずです。
 このようにして基礎研究からすすめていきましょう。

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