このレポートは、かたつむりNo.366[2012(平成24)03.18(Sun.)]に掲載されました

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たのしい科学にするために
運営委員 道 上   定
 
 実をいうと、世の中、ほんとうはわからないことがほとんどです。
 地震も、それによって起こる津波についても説明に不都合がない程度に「分かったつもり」になっているのです。 だからどこでいつおこるか、まだ「闇の中」。発生条件を少し変えるだけで被害・規模が変わってきます。 そのような環境の中に原子力発電所が稼働しているわが国のいま。
新潟・上越市の地滑り現場の航空写真
新潟・上越市の地滑り現場の航空写真
  =16日朝(新潟県提供)
震生湖(ウィキペディアより)
震生湖(ウィキペディアより)
よほどがんじょうな格納容器に納まっているのかと思っていたら、核燃料棒がメルトダウン。放射性物質がばらまかれました。
 地上も海水も放射性物質だらけ。環境は汚染されています。除染?放射性物質を取り除く?だったら、安心ですか?
 このように「取り扱い困難物」を生活の身近に撒かれたのではやりきれません。
 地震についても津波についても、いわゆる専門の研究者の責任のある発言が、ほとんど聞こえてこないのは、どうしたわけか。 まして日本の原発は2重、3重の安全装置が働いてびくともしない、杞憂ですと、言っていた専門の研究者はどこへ消えたのだろう。 ほとんどが「休止中」とはいいながら54基の原発が海岸近くに建設されています。
 日本のエネルギー政策をどうするのか、今すぐに鮮明に打ち出す必要があります。
 新潟県上越市で民家をおしつぶした地滑りについても、この地域は地盤が弱いことを知っていたはずですがどうして災害になるまで「砂防工学」の先生方は発言しないのでしょうか。 昨年9月の台風9号で奈良県、和歌山県で起こった土砂崩れでも、「減災」の動きはなかったようです。 川をせき止めたときも、「決壊には十分注意する必要がある」!むねの発言をするだけ。その後川はどうなったのでしょう。 せき止め湖ができたとなれば、秦野市の「震生湖』は関東大震災のときできたので「一番新しい自然湖(せき止め湖)」とは説明できなくなります。


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