夏の電力事情 |
運営委員 道 上 定 |
東大などのグループが素粒子にも重さがあるという「ニュートリノ振動」の証拠をつかんで14年。
小柴先生はノーベル賞に輝きました。科学少年団では数年前の、夏季宿泊活動で見学できた神岡鉱山地下の「スーパーカミオカンデ」という検出器が威力を発揮したのです。
(科学少年団で神岡鉱山地下のカミオカンデが見学できたのは大変なことなのです。運営委員の先生が少年団の目的や活動を説明し、現地や東京の大学と交渉しての結果でした。
いやなやりとりもあったはずですがしかもボランティアで貫き通していただいたことに先生方にはあらためて感謝します。
子どもたちを人里離れた、鉱山地下、そしてそこに最新鋭の科学機器。
「なにがなんだか、さっぱり分からない」子どもでもそんな環境・雰囲気に包まれること、もっとも大切なことのひとつです)。 そして昨年、名古屋大、神戸大など参加の国際グループがそのニュートリノが光より速いと言う実験結果を発表したのですが、他の科学者達から疑問の声があがっていました。 そりゃーそうでしょう、光より速いのが存在することになれば、ものごとの組み立て方がすっかり変わることになります。実験した国際グループ自身も半信半疑。 自信なく「どちらか、検証して」。かといって、検証も膨大な時間と実験機器・費用がかかります。おいそれと取り組めません。 国際グループが実験機器を点検したら、機器間接続の光フアイバーケーブルの接続部に『隙間』が見つかった、とのこと。スキマがあると時間が遅れることが分かった、そうです。 こんなのアリでしょうか? 加速器から検出器まで730キロ、時刻はGPSを利用した、と。そして通信ケーブルは光フアイバー。光の速度前後を厳密に測定するのに、こんなお膳立てでいいの? しかも接続部のスキマが問題になるの。こころのスキマではないのでしょうか。光より速い、はビッグニュースなのです。 放射生物質の除染は大事です。ですが、放射生物質をA点からB点へ移動するだけのことで、物質がなくなるわけではありません。依然として残ったままです。 集積すればそれだけのこと。がれきを燃せば焼却灰に残ります。何年たとうと、ことあるごとに話題になるでしょう。安全に保管する方法が今のところ見出せないのです。 がれきの処理は急がねばなりません。放射生物質が含まれていなければ、横浜・山下公園のように海岸埋め立てに利用するテがあります。 同公園は関東大震災の時発生したがれきを埋め立てたものです。昭和5年・海岸都市公園として完成。がれきをセメント工場が受け入れていますが、助かります。 放射能測定器が市販されています。数万円位からあるようですが、おなじ放射性物質でも数値がばらばら。放射線のなにを測定するか、確認が必要です。 昭和50年代だったか、浜松ホトニクスで「ガイガー・ミュラー管カウンター」組み立てキットが販売されていました。 欲しかったのですが、完成したら「なに計る?」で、やめました。浜松ホトニクス電子管事業部設計第一グループ。 カミオカンデのニュートリノ観測用高感度光検出器はこの会社の製品です。 本題に入りますが、この夏の電力は大丈夫なのか。まず、送り出す発電所について。 電気は貯めておくことができないので、使う分だけ発電します。が、簡単に発電したり止めたりできません。 原子力発電所はウオーミングアップに2・3日かかります。川の自然な流れを利用した流れ込み式水力発電と地熱発電、それに原子力発電で、送り出すべ一スの電力を担当します。 加えて燃料コストの安い石炭火力を。液化天然ガスは一日単位の変化に応じて運転されます。燃料コストの高い石油火力は需要のピーク時対応の発電です。 2・3時間のウオーミングアップが必要です。さらに調整池式水力発電、そして短時間対応の揚水式水力発電が追加されます。 揚水式はコスト高で、余った電力を利用しなければなんのための発電?となります。したがってポンプアップは深夜電力を利用します。 いよいよ停電はあるか、ですが私は「ない」と見ています。 あるとすれば、8月8日開幕の、全国高校野球選手権大会の、22日が晴天で決勝であれば午前10時から午後2時までが要注意! で、この時間帯がこの夏一番のピーク時電力と思っています。 |