電力、ATP、労働力 | |
運営委員 道 上 定 | |
気象庁は11月22日、この12月からの3ヶ月予報を「北日本をのぞき各地で平年よりも低温傾向となり、予想降雪量も平年より多い」
と発表しました。 あれっ?つい先月まで暖冬傾向で雪も少ない、と言っていたのに・・。その訳は南米沖〜太平洋沖中部まである「エルニーニョ現象」 で海面水温が上昇するので、暖かい冬になると説明していたはず。なにを観測して、予測するの。それが予報? 大自然のなかの局部の予測ですから、少しずれただけで予報ははずれます。変動する因子をひとまず固定して答えを求める作業。 その繰り返し。たくさんの計算を電算機でやっても、けっきょく経験の積み重ねでしかない。そう思います。 地震はどうか。これまた活断層があるから地震が発生する。しかしこれは状況証拠みたいなもの。 より細かく見れば断層があるので地震があった、だから今後も心配、というもの。断層が見えなくとも地震は起こりうるのです。 「ひび割れ」をあらかじめ「いつ・どこで」と、予測することはとてもむずかしいのです。たぶん今の着想の範囲ではできないでしょう。 地震の多い日本で、しかも四面が海の日本で放射能を閉じこめて運転・制御する原子力発電所は、よほど頑丈でなければなりません。 機器が暴走の方向に傾いたとしても、自己完結型の安全装置が働いて、燃料の供給が停止し、常温化の方向ヘシステム誘導がある。 発生する気体も液体も回収・処理できる、とあれば問題ないのです。その点、原発は未完成品です。 構造設計で構造物専門家と放射線専門家との考えが合意されていないようです。 たとえ小さな熱電対の温度計だとしても穴をあければヒズミが生じるし、板厚のちがいや溶接部もやはりヒズミをかかえます。 そのような箇所がいたるところあるのですから、大事な部分には定期点検で確認できるよう「試験片」がおかれているはずです。 大事な情報として生かされているのか。金属容器でも放射能と熱と水流、振動が併せて扱う環境は、大変過酷な状態なのです。 装置はけっこうもろいのです。だから、変動要因はできるだけ避けたい、出力の上げ下げなどトンデモナイ! 定常運転が望ましい、のです。電力の需要変動に応じて細かく調整をする事はやりません。 だいいち放射性廃棄物の処分方法さえないのですから、「安心・安全」と「経済性」を同列にして議論し、 選択を迫るのはおかしいと思いませんか。 3ヶ月予報では「平年より寒い、積雪量も多い」。かといって原発の稼働はできない、となると、この冬の電力事情は深刻なのか。 そんなことはないでしょう。この夏の原発は大飯原発(関西電力)の2基だけが動いたのですが、 電力不足ではありませんでした。来年夏でもこれ以上の原発がなくても5%は余る、見通しです。 さて、まえにも書きましたが、電力とATPと労働力は貯めておけないのです。いずれも持続可能になるよう、かしこい工夫が必要です。 この春、労働法について気になる出版が「法律の有斐閣」からありました。 タイトルは『労働の正義を考えよう一労働法判例から見えるもの.......』大内伸哉著・2012年5月。
この書籍が教科書風になっており、わかもの言葉で語られると、この先、しんぱいです。 ATPは細胞の中のミトコンドリアのなかでエネルギーを生み出す物質。体温は、ほんとうはどこの温度でどこで発生するのか。次の機会に。 |