このレポートは、かたつむりNo.383[2013(平成25)04.14(Sun.)]に掲載されました

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撹乱するのはだれ?
運営委員 道 上   定
 
 このあたりでは一番寒いと思われる二月頃、つまり年度末、あわただしく行われます。 委託を受けた業者による植栽樹木並びに花だん清掃管理の作業です。樹木は骨格+△の、新年度を迎える立ち姿。 花壇は枯れ枝も落ち葉も、ただの一つもなく地肌がむき出しの状態。すっかりキレイです。 JR東海道線藤沢駅北ロデッキ上でのはなし、です。
マツバウンラン
■マツバウンラン
 おかげで毎年楽しみに待っている「マツバウンラン」が今年は見つからない。
 帰化植物と言われ、雑草と十把一絡げにされる群衆なんですが、くさ丈20〜30センチ。1〜2年草。花冠は青紫色。 形は仮面のようなおもしろい形。がく片から「距」がオッポのように突き出しています。その他自分で調べてみて。
 と、気を揉んでいましたら、3月23日やっと見つけました。電気照明のポールの根元に一株だけ1カメラでパチリ。 それから10日ほど後の4月4日、花が確認できたので一安心したところです。
 この「ウンラン」、1941年に、京都市伏見区で発見されました。じつはこの年私は生まれました。
ツタバウンラン
■ツタバウンラン
ちょっとした風でも折れそうなウンランに、殴り倒しても起きあがるぶおとこの取り合わせですが、 生き物の世界のこと、おかしくないでしょう。同じゴマノハグサ科に「ツタバウンラン」がおります。 藤沢市内では市役所下の石垣。1月12日には花が咲いておりました。そしてこの4月初旬には咲きそろっておりました。 ここ数年株が増え、広がっています。マツバウンランもこのツタバウンランも帰化植物ですが、 はでに勢力を誇示したかと思うと、いつの間にか姿が見えなくなることも。 あるいは周囲にとけ込んでなんの違和感も感じさせない、そんな植物も。
 生き物はそうやって自分を変えながら、周りを変えながら自分の先祖を伝えていくのです。 多くの種類の生き物たちが空気と水の帯の帯の中でひしめき合いながら、時間に揺られて折り合いをつけあいながら、 自分らしく生きているのです。後始末もできない道具を持ち込んで撹乱するのはだれだ?


(写真出典 ウキペディア)


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