このレポートは、かたつむりNo.390[2013(平成25)11.17(Sun.)]に掲載されました

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病気道楽A
運営委員 道 上   定
 
 パーキンソン病にかかったらしい、と報告したのは去年(2012年)の9月のことでした。 「らしい」とは、いかにも自分の病気なのにどうしたことか?
 似た症状が多いのです。問診のとき、どんな症状が、いつから。家族にはいないか。今までにかかった病気は、など最初に聞かれます。 そして神経診察。ふるえ、無動・寡動、固縮、姿勢の反射障害を診ます。終わるとMRIの予約を取り、この日はおしまい。 薬「L一ドパ」の処方箋をいただいてかえります。この薬を飲んで「効けば」パーキンソン病です。 MRIの画像検査で脳に異常がなければ(異常がないので)パーキンソン病と診断されます。
 「病気じゃないの?手が振るえているよ」と言われたのが神経内科にかかったきっかけでした。 ま、緊張すれば普通ではない動きをする体ですから、神経の作用はわからないですね。
 パーキンソン病を同定・命名したことで脚光を浴びているジェームズ・パーキンソン先生は、恐竜の化石の研究でも知られています。 メガロザウルスと言う名前を最初に使ったのはこの先生です。このことは次の機会にしましょう。
 ちょっとひねった研究や成果に贈られる「イグ・ノーベル賞」の発表が9月、米ハーバード大でありました。 医学賞は帝京大・新見医学部准教授。マウスに別のマウスの心臓を移植すると、免疫の拒絶反応で移植の心臓は8日後には止まる。 ところが手術後にベルディのオペラ「椿姫」を聴かせ続けると、平均26.5日、最長で100日も動き続けた。モーツアルトで20日。 鼓膜を壊すと効果はなく、ノイズでは影響しなかった、といいます。音楽が脳を経由して免疫反応に影響しているのでしょう。
 さて、そうなるとこの11月の藤沢市民オペラ「フィガロの結婚」をナマで聴かせたら、果たして「不老長寿」となりますか。

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