このレポートは、かたつむりNo.390[2013(平成25)11.17(Sun.)]に掲載されました

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半熟の「鶏卵検定試験」AA
運営委員 道 上   定
 
 ことしの梅雨入りを一週間まえにひかえた6月3日、鶏とたまごを助けて、と意見広告がでました。 生産コストが上昇している中で現在のたまごの価格を維持するためがんばっています。そういう内容でした。
 そして立冬1週間前の10月30日、たまごはほんとうに高くなったでしょうか、と念押しの、意見広告です。
 みなさんの意見はいかがでしょうか。鶏卵検定試験Aの問題の答えは、
Q1(平飼いという「放し飼い」は一つの集団で@せいぜい30羽Aせいぜい50羽B100羽)はB。 ふつう雌10羽に雄1羽の割合で飼われるのですが、この分で10グループも飼うと、 たまごを生むときの鳴き声と雄どうしのけんかで、それはそれはうるさい、のです。広大な用地があれば、また別ですが・・。
Q2(「無窓鶏舎」では@100万羽A1万羽B5000羽までの大規模経営ができる。)は@。 もっと大規模に経営しているところがあります。ただ、家畜伝染病予防法の、法定伝染病、 とりわけ日本で発生した高病原性インフルエンザではシベリアからの渡り鳥がウイルスを運んできての深刻な被害となったのですが、 規模が大きくなればなるほど細心の衛生管理を要求されます。私が見学したいと、思ってもそれはとうてい無理。
Q3(無窓鶏舎で飼育するにわとりは、すべて孵卵器でかえったものばかり。これは@産卵能力をそろえるため。 Aめんどりに育ててもらったものは育ちがわるいB孵卵器でかえると長生きする)は@。 孵卵器を使っていっせいに孵化させる。成長期間によって与える飼料の成分内容が違ってくるので徹底してそろえる。
Q4(にわとりのたまごを、ひとのフトコロで孵化するにはたまごが@外気に直接触れないようにする A1日でもフトコロから出すと醇化しないB30分くらいならだいじょうぶ、孵化する)は答えなし。 にわとりの体温は41〜42℃、はずれるとかえらない。
Q5(孵卵器ではにわとりのばあい「37.8℃」と、設定温度がなっていますが、@これより高すぎるとそのぶんはやく生まれるが、 体が強くないA低いと生まれるのが数日遅れ、体は強くないB設定温度±1・0℃でも艀化しない)はB。 艀化は受精卵で細胞分裂が始まる温度の許容差は0.2℃しかない。@やAはない。
Q6放し飼いでは雄鶏も入れて飼育し、「有精卵」を生産しますが、めんどり10羽につき@1羽A2羽B5羽おんどりが必要。)は@。 Q1の答え参照。
半熟の「鶏卵検定試験」AA
Q7(現在の飼育管理法で、1羽あたり年間最大何個のたまごをうることができるか?@280個A240個B200個)は@。 少しずつ増える傾向ですが、毎日1個つまり365個は無理です。 たまご1個ができあがり放卵に至るまでの時間は24時間以上25時間かかるのです。
Q8食用たまごとして店に並ぶ鶏卵パックのほとんどは@プロイラーA白色レグホンBプリマスロックのたまごで、 にわとりの改良はもう限界にきている。)はA。ブロイラーは鶏肉生産のにわとり。Bプリマスロックは卵・肉兼用のにわとりです。
 にわとりのたまごはほんらい、ひよこを育てるための食べ物、です。牛乳は牛の赤ちゃんを育てるための飲み物です。 にわとりや牛がちょっと眼をはなしたスキをねらってたまごを、牛乳を横取りしたのです。 家畜として飼われ始めたときは「おこぼれ」をちょうだいしていたわけですが、餌との駆け引きでよけいに卵を生み、 牛乳を出させることができると、気づきました。もっとも鳥は時を告げさせること、うしは運搬用として飼い慣らしたと、いいますが。
 鶏卵の東京卸相場は3月12日、MS高値193・安値169・平均175円。それが11月7日、MS高値248・安値224・平均230円。 (全農、kg)2月の大型小売り店舗では大売り出しの目玉商品として「たまごパック」10個入り¥88だったものが、3月には¥98。 そして11月初旬には¥128となりました。これがはたして一時的なものなのか、どうか。

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