科学という広大な世界 | |
運営委員 道 上 定 | |
ES細胞で目を見開いて、「なるほど、受精卵か。でも、ヒトの卵子に手を加えるのでは・・・」倫理的な課題が残るし・・・。
iPS細胞のときには「とうとうここまできたか。
しかし、神様の設計図ではパーツの材質はなんでも良いのかな?経年変化は想定しないの?」と思っていたのですが、
最近報道されているSTAP細胞では幹細胞に衝撃を与えて「初期化」に成功したといいます。 万能細胞作りも、このように経過をたどると「振り出しに戻った」感じがします。 細胞のどの時点でリセット・ボタンをおすのか。あるいはショックを与えるのか、 条件のいろいろな組み合わせを無駄なく実験しての成功ですが、千の欠伸と飽くなき忍耐に、 いろとりどりの閃きが用意されていないと成功しません。 ピペットを束にして効率よく操作していると見逃す変化もあるのではないか、そう思います。 物事の変化が束になって流れるのに、脳内処理がついていけないことって(年をとるとなおのこと)よくあるのです。 駒込ピペットで液を移しかえるとき、先の細いのでやると細胞を傷めやすいし、衝撃を与えやすいのです。 ピペットにはメス、駒込.マイクロ.パスツールとあって.用途は定量用、分散用に分かれます。 駒込ピペットといえば、この2月に行われた県内公立高校共通選抜問題の[理科]に、使い方について出ていました。 実際に手にとって使ってみないと答えはでないのでは。 電磁石についても出題されてありましたが、同じこと。自分でやってみないと記憶に残らないと思います。 『呼鈴の科学一電子工作から物理理論ヘー』が1月、講談社現代新書として出版されました。 著者によれば「ファラデーの歴史的名著『ロウソクの科学』の精神に学び、一つのテーマから流れ出す広大な学問世界を、 読者に御紹介することを目的として」出した、とのこと。 ピペットならぬスポイト・ロケットを打ち上げるだの、電磁石にまつわることがたくさんでています。 自分の興味を眺めてみるにはおもしろいかも、しれません。
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