大きな期待・小さな入れ物 | |
運営委員 道 上 定 | |
小さなセルが大きな期待をあつめています。生き物のからだを形づくる細胞。
ヒトの体細胞は200種・60兆にもなるようですが、その元となる「幹細胞」をステム・セルと言います。 ステム・セル(幹細胞)はES細胞、iPS細胞と確認されて、ただ今STAP細胞が注目を集めています。 スタップ細胞については助成費や協賛を期待してか、先を急ぎすぎたようです。 現代の基礎科学は範囲は狭く深く掘り下げて探索しますから、お互いとなり通しでも境界領域で、もうわからないのです。 集団で作業するスタッフ制の、プロジェクト・チームなので全体を統括するスタッフがまた必要なのです。 膨大な資金と人材が投入されます。今回のSTAP細胞疑惑はチームがばらばらでスタップどころかスタッフにも届かない体裁でした。 研究者はひとまず科学ですから、長〜い道のりのデータの集積とため息とあくびと、それに「瞬間のひらめき」が必要です。 再現性は失敗の連続の中にこそ埋め込まれています。 さて、もう一つのセル=電池。電池、コンデンサ、キャパシタと3分野がそれぞれ発展途上にあります。 [電気二重層キャパシタ]は電気を「電気としてそのまま貯めておけそう」なのです。らんぼうに言えばライデンびんの応用です。 そのうえ@材料が、とくに電極は活性炭。廃棄物処理が環境にやさしい。 A充放電回数が化学反応を利用している電池に比べ1000倍以上。 B小型の中に大きなファラド(あの「ろうそくの科学」のファラデー先生を記念して、静電容量の単位としたもの)をとることができます。
現在の発送電が分離されると、特に送電部門のうち配電に多様な変化がきたいできます。 これに通信やデータのやりとりが絡まると、大きな送電が単純化でき、ちいさな規模での電力融通が期待できるのです。 そのとき二重層キャパシタは大きな役割を受け持つことになります。 |