このレポートは、かたつむりNo.401[2014(平成26)08.31(Sun.)]に掲載されました

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松籟を聴く
運営委員 道 上   定
 
 大型の事件・事故がいとも簡単に通過してゆく。付箋を貼るいとまもなく次のページへと進む。 東日本大震災・大津波、福島原発破壊・放射能汚染拡大。日本国憲法解釈を時の権力が一方的に解釈。 武器輸出禁止三原則が言葉をかえて防衛装備移転。戦争しないのですが、自衛権は準備しておきます。 自衛権の実質はなに?……減感作療法としてみればこんな巧妙なやり方はさすがで、あります。 過去にはこのように地均しして戦争へ、と進んだのです。 大した資源もなく国土も狭いのにここまで穏やかにやってこれたのは、四面が海で囲まれており、 侵略するのもされるのもその意思がはっきりとわかるから。「うっかり侵入」などと言い訳できないでしょう。 自衛権があるからと「出かけて戦う」行為はさらに難しいはず、です。 あるいは機関銃を肩にやってくる相手に、竹槍で戦う姿を笑われたからと言って、体力以上の重装備をしてふらついていたのでは…。

 理想の平和憲法がまだ成就しない中で、もう石垣の石を引き抜こうとする人たちが出てきました。 食料需給率37%とか。ほとんど輸入に頼っている飼料・肥料、燃料代はどう計算しているのか知らん。 健康寿命を置き去りにして、平均寿命が延びていく…。平均寿命をとっくにすぎた超高齢の認知症にイロウを接続。 「だったら、検査しましょう」と、MRI。もう少し体にも懐にも負担をかけない検査方法があるでしょうに。 大腸ガンに内視鏡検査。……。そして薬の上にまた薬。データを改ざんしてクスリと笑っているのはどこのだれ?

 国土の70%は森林と。これもまた「不健康森林」。採算に合わない、後継者不足で野放し状態です。 自然林でもないし、人工林でもないし…。じいばかチャン林、か?
 この日本、[箱庭]ふうに観察しますと、じつにていねいに隅々まで神経を配っているのがわかります。 お米などなん銘柄あるのでしょう。 「千枚田」が各地にありますが、999枚までは確認できましたが、あと1枚がどうしても見つからない、 帰ろうと、足を一歩踏み出したらそこに1枚あったと、まあ笑い話です。
 そこでイネ科の植物・タケのこと。ご存じのとおり、竹は熱帯性で、東南アジアではふつうに自生しています。 長崎の田舎では建築の足場にしたり。そう、さきの戦争末期には竹やりに使いました。 船の帆柱にしたり、裂いて土壁の心に使ったり、もちろん物干しさおとして使いました。 トーマス・エジソンは白熱電球のフィラメントに京都・石清水八幡宮の竹を使い、点灯することに成功しました。 若いときの[孟宗竹]は「たけのこ」としてとてもおいしいですね。 山形のT先生は「ねまがりタケ」がもっとうまいと、おっしゃいます。 (きょうは朝から暑いので、私は山形ダシをご飯にかけていただきます!)
 イネ科の植物で[ダンチク]があります。長崎の私のいなかでは「だんじゅく」と訛っておりました。 子どもたちにとってはタケの代わりに程良いやわらかさと扱いやすさをもっています。別名ヨシタケ。 中国では「葭竹」と書き(かちく=ヨシタケ)です。ダンチクは「葮竹」で(ダンチク)です。 くさかんむりの下のつくりが似ているでしょう、違いの原因はここにありました。昔のことですから、書き移す時に間違えるのです。 まして行書や草書になると前後関係で読もうと思っても難しいです。

 山北町に「尺里峠」の地名があります。「したんごう山」の登山で通ります。「ひさり・とうげ」と読むのです。 だったら「久里峠」でしょう。尺と久は似てますからね、草書で書かれると困るのです。役場でも教育委員会でも分かりませんでした。 「ひさり峠」と言うのでしたら「日去り峠」、つまり「旅で行きゆきて、峠で日が暮れた』と解釈したい。
ダンチク(ウィキペディアより)
■ダンチク(ウィキペディアより)
 さて、このダンチクは木管楽器のケーン(リードとも)として使います。 クラリネットやオーボエでは品質を揃えるため栽培したダンチクの、根に近い2、3段の節までしか使いません。 オーケストラでのオーボエは木管楽器のさらに中心になりますが、音合わせの時の基準音を作る大事な楽器です。 オーボエ奏者の発する音にコンサート・マスターである第1バイオリン首席奏者が合わせ、全員が揃えます。 木管のケーンは「なまもの」ですから自分でナイフを持って作ります。演奏中は2、3枚予備を手元にしのばせます。
 ラオスには日本の篳篥(ひちりき)に似た民俗楽器があり、ケーンと言います。リード楽器です。 アシ・ヨシのことをリードと言い、これを振動するものとして使っているのがリード楽器。
 イネ科の、とりわけ竹類はもっと真剣に研究されて当然です。「侵略的外来種」と言われないくらいの研究と利用法を我が国は開発すべきです。


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