このレポートは、かたつむりNo.415[2015(平成27)07.05(Sun.)]に掲載されました

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発送配電分離で活性化
運営委員 道 上   定
 
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【写真説明】怒髪・・を衝く。電気も芸術的に。 生ごみをいいかげんに扱うとカラスが集まる。カラスを傷つけないよう、やさしく諭すには、こうなる。電線には6600ボルトが流れている。
 電力需要が節電意識の高まりや、季節の推移と気温の期待値がちぐはぐに進み、4年連続マイナスとなっています。 エアコン需要もさっぱりで、産業用大口といわれる工場向けも上向きの兆しは見えません。
 いっぽう経産省は2030年のエネルギーミックス(電源構成)案を4月末に発表しましたが、原発の占める割合は20〜22%に。 再生可能エネルギーは22〜24%と希望しています。地球温暖化ガスの削減・発電コストの安さで原発は手放さないようです。

 「規制緩和」を掲げながら「原発」のコントロールを手元に・・、と悩ましいところです。 そこで、電力の融通を全国規模で取り仕切るための[電力広域的運営機構]が4月1日発足しました。 今後10 年間の電力会社の供給計画、再生可能エネルギー導入案や送電網の運用ルールも手がけます。

 そしてこの6月17日、改正電力事業法など関連法が参議院本会議で可決、成立しました。 これで一般家庭でも電力会社やガス会社を自由に選べることになります。
 来年4月からは
「タクでは長野県・うつくしが原高原・風力安らぎ電力で、ご飯を炊いていますの」
「アーラ、奥様ごめんなさい、キョウト・太陽光電力に切り替えたらウチの洗濯機、がぜん張り切って・・」
「バイオマス発電ってすごいのよ。・・・・」
と、長屋談義がはじまることでしょう!?。
(電力に色や香りなどの区別はつきません。このような会話は、もちろん冗談です)
 電力は@「発電」、A「送配電」そしてB「小売り」の3つに、東京オリンピックの年の4月から分かれます。
 このような動きを見越してか、無線駆動、無線充電、無線送電の発表がめだちます。 自動車のバッテリー充電や、ドライブシャフト不要のホイールモータ駆動方式の自動車について実用化に近づいているようです。 ところが無線送電となるとたいへん。
 が、JAXAなどでは1800ワットの電気を55メートル先まで無線で送ることに成功したとのこと。 三菱重工業は10キロワットの電力を500メートル先まで無線送電することに成功したともいいます。
 いずれも宇宙太陽光発電の送電をねらってのこと。
 高度36000キロメートルに3キロメートル四方のパネルを展開させると100万キロワット(原発1基分!) が天気の影響や昼夜にかかわらず発電できるのに、その送電方法がむつかしい。 マイクロ波が有力なのですが環境にも人体にも即影響がありますから導波管やアンテナの設計は精細なものになります。 大電力ともなれば至難の業、となります。

 科学・科学技術、これに政治が絡むと、もう、別世界。
 政治の世界では「一寸先は闇」だとか。おそらく電力不足で、停電は日常茶飯事なのかもしれません。 さいわい黒海、じゃなかった国会はお近くでしょうから自家発原発1そろいすえて、 明るい照明のもとでじっくり議論しあえば大衆の腹の中がわかろうというものです。


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