出来ることと推し量ること |
運営委員 道 上 定 |
牛飲馬食の輩が増えたのか、それとも自宅の庭を野草で飾ろうと生け垣代わりに使ってひとり楽しんで…。ナニに使おうと盗掘しているのか知らん。 どうしたわけかハマカンゾウが激減しているといいます。 で、ほうっておけないと、大日本印刷と東芝の社員がプロジェクトチームをつくり、細胞工学の技術を使いながら繁殖させようと、いま取り組んでいます。 カンゾウの仲間は科学少年団の年度はじめの4月に行われる「雑草を食べる会」で紹介される「おいしい雑草」のひとつ。 ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ニッコウキスゲもユリ科の同じなかま。葉っぱは抵抗なくおいしくいただける。酢味噌和え、味噌汁などとりわけ好評です。 異業種の、しかも扱うものが「生き物」を真ん中にすえての「商品開発」に、期待とそこまでやるか、の意外性に気を使います。 農業ではハウス栽培で栽培環境の囲い込みをはかり、暖冷房などの調節を手作業で行っていました。 そこに電気を引き込み自動制御。さらに日照・湿度・換気など細かく設定し、いまでは野菜の工場生産は驚かなくなってきました。 ペルトコンベアで日替わり環境を通過して、生育した野菜が出口から出てくるのを待つ、ソコまできています。 日照や水など、基本が出来ていないとうまくいかないのが農業ですから、逆に厳しい気象環境の砂漠や南極でも野菜工場が稼働できる、ことになります。 山の中で「海水魚を育てる・出荷している」話しも、採算性を別にして増えていくことでしょう。野菜工場はもう実用の領域に入っているようです。 「雑草を食べる会」の4月、ドングリの樹の多い雑木林のなかにキンランやギンランを見つけホツとしますが、 いずれ簡単な繁殖技術を手に入れて希少価値をなくす、そのようになるでしょう。 が、「時代の流れ」だからと、すませていいの? 科学者も政治家も経営者も、先生と呼ばれる人たちよ、もう少し先を見ながらの発言・実行をお願いします。 |