このレポートは、かたつむりNo.354[2011(平成23)4.17(Sun.)]に掲載されました

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ヘクトパスカルマンのつぶやき・・・
運営委員 野 村 道 佳
 
 毎回アトラクション考えるの大変だなあ…。と思いつつ楽しんでしまう入団式。 総合かがく展の実験コーナーなどでネタは練っているので、慌ててこの日のために特別に用意する事は少ないものの、 やっぱり「科学少年団らしい」味の出し方については、担当としてちょっと頭を使うところです。
 「そうだ今年はヘクトパスカルマンにしよう。」といきなり思い立ってマジックで書く「hPs」…。 ヘクトパスカルは「hPa」と書くんですね。急ごしらえで書いていたのを山本先生にご指摘いただき大急ぎで直しました。 そのまま出たら少年団運営委員の信用失墜行為もの。冷や汗たらたら。山本先生ありがとうございました。
 さて、せっかくなので、今回のアトラクションを簡単に説明しておきます。 詳しいことは、科学少年団のみんなですから、自分で調べてみてくださいね。
@大気圧を使ったもの
 簡単にいうと、宇宙との境目まである空気の重さが、空気にふれる地上のあらゆるものにかかっている力を大気圧というのであって、 小指の爪ほどの面積あたり牛乳1リットルパック分の重さが乗っかっているくらいの力があります。 慣れているので押されている感じがしませんけどね。
 暖かいおつゆを入れたふたつきのお椀が冷めると、たまっていた水蒸気が液体に戻って体積を減らし、 中の気圧が下がって大気圧がふたを押すことになり、お椀があきにくくなるわけです。 そしてこれを応用したのがボウルを使った実験で、ボウルの中でエタノールをもやし、 すき間ができないように濡らした紙でパッキンをして、すぐにもう一つのボウルをかぶせると、 ほのおが消えると同時に中の気圧が一気に下がって、大気圧がボウルを両側から押し、ちょっとやそっとではあかなくなるんですね。
 大気圧でくっつくものはいろいろありますが、吸盤なんかもいい例です。さらに、写真のような面積の大きなゴム板を机に密着させると、 机との間には大気圧がかからないから、ゴム板は上から大気圧をまともに受けて、机から取れなくなっちゃうんですね。
A化学反応で色が変わることを使ったもの
 化学反応は、さまざまな色を生み出します。目立たない色の水溶液で下絵を描いておき、その上から化学反応を起こす水溶液をスプレーしました。 今回の発色には、次の化学反応を使っています。
◇空の青
BTB水溶液(紙では薄黄色)+炭酸ナトリウム水溶液→青色に変化
◇桜のピンク
フェノルフタレイン水溶液(紙では無色)+炭酸ナトリウム水溶液→紫色に変化
◇山や田の緑
フェリシアン化カリウム水溶液(紙では薄黄色)+塩化第2鉄水溶液→青緑色に変化
◇木や土の黒
タンニン酸水溶液(紙の上では無色)+塩化第2鉄水溶液→濃い灰色に変化

以上 ヘクトパスカルマンでした



事務局より ボウルの実験は「マルデブルグ半球」といわれるとっても有名な実験です。 簡単にできますので、インターネットなどでやり方を調べ、おうちの人とやってみてもいいですね。 ただし、うまくできるとボウルが変形し使い物にならなくなる可能性があります。 100円ショップなどで買って準備するといいでしょう。

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