このレポートは、かたつむりNo.283[2006(平成18)4.2(Sun.)]に掲載されました

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赤道の下より
  −マレーシアレポート No.18−
元7班 S.H.
 
こんにちは。マレーシアのS.H.です。
今回、最後になるレポートは、マレーシアに生息するPteroptye tenerというホタルについてです。

ホタルは世界中で2000種が記録されており、マレーシアにも生息しています。
「Pteroptye tener」という種類で、体長は約5mm。 羽の色は玄米の様で、日本のゲンジボタルと比べるととても小さく感じます。
オスは約1秒、メスは約3秒程の間隔で光るそうです。

ホタルが集まる木は現地名「ベレンバン」、学名「Sonneratia caesealaris」という木で、 それ以外の木にはあまり集まらないようでした。
このホタルはこの木の樹液をえさにしているそうです。

マラッカ海峡の近くを流れる「セランゴール川」の流域にそのホタルが生息している場所があります。 今回はそこにホタル観賞に行ってきました。
川は泥で濁っており、あまりきれいには見えなかったので、 最初はホタルなんて本当に居るのかと少し疑ってしまったのですが。

木の小さな4人乗り手漕ぎボートにライフジャケットを着て乗り、 虫の声が響く暗い川の中に漕ぎ出しました。
聞こえる音は虫の声とボートが水を進む音だけで、辺りは静寂に包まれていました。

辺り一面マングローブの森で、夜の闇の中にうっそうとした雰囲気を漂わせていました。
暫くして、船着場の光が見えなくなってくると、 岸の木にとまって光っているホタルが見えてきました。
一秒間に一回点滅するくらいの早いペースで、 ぱっぱっと同じ木に集まった数十匹が同調した点滅を繰り返しており、 まるでクリスマスのイルミネーションの様でした。 その光は電球の明かりよりずっと儚く優しくて、どちらかというと星空の様な明かりでした。

とても弱い光で私のカメラにはほとんど収められなかったので、 写真は観光みやげ用のポストカードを載せておきます。

それではこれでレポートを終わります。
約一年半という長い間お付き合いして下さった皆様、どうもありがとうございました。



 S.H.さんからは約1年半の間、全部で18本のレポートを送っていただきました。 ありがとう。団からお礼として皆勤賞の「金のかたつむり」を贈ります。
 皆さんも是非レポートを送ってください。お待ちしています。

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