このレポートは、かたつむりNo.243[2003(平成15)5.11(Sun.)]に掲載されました

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小惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ
運営委員 山 本 明 利
 
 今日(5月9日)13時25分、鹿児島県から打ち上げられた文部科学省宇宙科学研究所の 小惑星探査機MUSES−Cは打ち上げロケットが順調に飛行して無事に予定の軌道に乗り、 「はやぶさ」と命名されました。
 「はやぶさ」は小惑星1998SF36をめざします。地球にかなり近い軌道を回っている、 大きさわずか500mの小さな惑星です。「はやぶさ」はこの小惑星すれすれまで近づいて、 表面の砂を持ち帰る予定で、ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」、 火星探査機「のぞみ」に次ぐわが国4機目の人工惑星になりました。
 「はやぶさ」は4つの新技術を試す予定です。
(1)イオンエンジンを主な動力として飛ぶこと
(2)画像から自分で判断して運動を制御しロボット探査を行う
(3)小惑星からの初の標本採取
(4)惑星軌道から直接の標本カプセル回収
 いずれも成功すれば世界初となる意欲的な国産技術で、 かなり冒険的な計画です。 小惑星の表面にはぴょんぴょんはねて表面を探査するバッタのような小型探査機 「ミネルバ」と、着陸目標を定めるためのターゲットマーカーを投下する予定。 ターゲットマーカーに埋め込まれた銘板にはうちの家族6人を含む、 世界88万人の名前が刻まれています。
 計画では、2005 年夏に目標の小惑星に到着して ランデブーしながらサンプルを採集、同年冬に帰路につき、 2007年夏に地球にお土産を持ち帰ることになっています。
 とりあえず打ち上げという第一関門は突破しましたが、 小惑星をめざす長い旅はまだ始まったばかりです。 「はやぶさ」君に大いに声援を送りたいと思います。
関連情報はISASのホームページ(下記)にあります。 打ち上げのストリームビデオも見られます。
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