このレポートは、かたつむりNo.294[2007(平成19)1.14(Sun.)]に掲載されました

戻る

― 月齢と潮と漂着物 ―
8班4年 H.M.
 
 わたしが月齢と潮を調べだしたきっかけは…。 大潮のとき海に行くといろいろなものが拾えて、とても楽しいとわかったからです。 月の満ちかけと潮が新聞の湘南の『きょうの天気』のらんに書いてあることを見て、 きょうみをもって毎日見ていたら、最初に知っていた大潮と小潮のほかに中潮というのがありました。 そしてさらにそのほかにも長潮と若潮があるということがわかりました。 中潮は大と小の間だから中というのはまだわかりましたが、 長いとか若いとかは意味がわかりませんでした。
 そこで調べてみると、つぎのようなことがわかりました。
潮名 月齢 潮のようす
大潮 29〜2,14〜17 干満の差が大きいとき
中潮 3〜6,12〜13,18〜21,27〜28 干満の差が中程度のとき
小潮 7〜9,22〜24 干満の差が小さなとき
長潮 10,25 干満の間が長く変化が穏やかなとき
若潮 11,26 干満の差が大きくなりはじめるとき
長潮** 上弦、下弦を1〜2日過ぎたころ、干満の差がいちだんと小さくなり、 干潮、満潮の変化がゆるやかで、 だらだらと続くように見えるときのことを 長潮という。
若潮** 小潮末期の長潮をさかいに、大潮にむかって潮の干満の差がしだいに大きくなっていく。 このように潮がふたたび大きくなる状態を、 潮が若返るということで、長潮の翌日を 若潮といっている。


2006年11月の新聞の月齢と潮らんの切り抜き

 図1は、2006年11月の新聞の月齢と潮らんの切り抜きをならべたものです。 長潮は15日と30日でそれぞれ下弦、上弦を1〜2日過ぎたころだということがわかります。 若潮は1日と16日でそれぞれ長潮の翌日だということがわかります。
 さて、では10月31日と12月1日は何潮でしょうか?(答えは最後にあります。)


かにのこうら かにのはさみ
■図2 かにのこうら ■図3 かにのはさみ


いろいろな貝 ヒトデとウニとタコノマクラ
■図4 いろいろな貝 ■図5 ヒトデとウニとタコノマクラ


 図2〜5は、わたしが片瀬西浜でおもに大潮の日に拾ったものです。

 図2は、かにのこうらです。 左上から順に、モクズガニ、ガザミ、イソガニ。 中段、アカイシガニ、キンセンガニ、タイワンガザミ。 下段、イワガニ、スナガニ、マメコブシガニです。 かにといっても、こんなにいろいろな種類があるんだとびっくりしました。 写真をとったあとに、青緑色のイシガニも拾いました。

 図3は、かにのはさみです。 右上ののこぎりのようなはさみは、アサヒガニだと思います。 アサヒガニは深さ50mくらいまでの砂地に住む食用ガニです。 宮崎、鹿児島県では食用として市販されていておいしいそうですが、見た目は気持ち悪いです。 泳ぐことはできず、あとずさりして砂にもぐります。 右下はモクズガニです。はさみは軟毛のふさにおおわれています。

 図4の右上は、マツバガイです。マツバガイは水にはほとんど入らないで肺呼吸をするそうです。 海でぬれているときは、つやがあってとてもきれいです。まきがいの大きいほうは、チマキボウです。 となりがカガミガイ。そのとなりの棒のようなものは、マテガイです。 マテガイの上の太い管のほうはウズマキゴカイ、 細い管が集まっているのはエゾカサネカンザシだと思います。

 図5のいちばん大きいヒトデはスナヒトデです。その下のうでが太いのは、モミジガイです。 拾ったときは青色でした。右下は、バフンウニとムラサキウニです。 左下は、ウニの仲間のタコノマクラです。大きな破片は、 もとの形は直径12センチはありそうなものです。 中央の花のもようは、5枚のはなびらのうち一ヵ所だけ、はなびらの先が開いていて、そこが前です。 タコノマクラにも全体に短いとげがあります。

 約3ヵ月海に通ったら、とてもたくさんの種類のものが拾えたから、 海に行くのがやめられなくなってしまいました。 もっといろいろなものが海にはあるから、これからも拾って調べてみたいです。
(さっきの答えは、長潮と若潮です。)


参考資料   学研生物図鑑、『水生動物』
  神奈川県水産振興促進協会、『かながわの海わくわく探検』


 2ヶ月続いて団員からの投稿がありました。ありがとう。

 長い時間をかけて丁寧に集め、調べました。こういった丁寧な観察はとても大切なことです。 これからも、たくさん拾って調べてみましょう。

 今回紹介してくれたものはどこから片瀬海岸までやってきたのかな?江の島から? それとも外国から? 今度はそれについても調べて報告してくれたらもっとすばらしくなりますね。

戻る