2004年は、多くの自然災害に見舞われましたが、
災害の他にも平年と比べて異なる現象があちこちで見られました。
いろいろな春の花が、秋に咲いたのもその一つです。
晩秋から初冬にかけて、何回か近郊の野山を歩きましたが、例年2月から始まるスギ花粉が、
今年は11月から飛んでいるといわれました。
私も目や鼻に多少の異常を感じましたが、敏感な人は「まちがいなく飛んでいる」といいました。
目に見えるものとして、私が初めて見たのは、11月13日に江の島で咲いている「スミレ」の花でした。
秋咲きのパンジーやビオラは近頃珍しくなくなりましたが、
スミレまで秋に咲くとは世も変わったものだと写真に撮りました。
プランターに一株だけ生えたもので、本当の野生とは言えませんが、その後12月17日、
葉山小学校の裏山では、まちがいなく野生のタチツボシミレが咲いているのを観察しました。
例年の開花は、早くても2月ですから、スギ花粉と似た生理現象が、
いろいろな植物に起こっているのかも知れません。
初冬をかざるサザンカは、特別花付きが良く、たいへん目立ったのも、この年の特徴といえるでしょう。
私の庭では、いつもなら早くても2月に咲き始める早咲き性のツバキが、11月下旬から続々咲いて、
12月の初めには満開になりました。ときには秋に咲くと云われる「太郎冠者」という品種の椿は、
12月下旬に満開状態です。この現象は、鎌倉、横浜、千葉と出歩くたびにどこでも見られ、
もともと秋にも咲く性質を持つ品種の椿では特に顕著で、12月に満開状態のものをあちこちで目にしました。
一方、紅葉の方は、やや遅れ気味で、12月中旬が、藤沢、鎌倉、横浜では最盛期でした。
これは、昨年も同じで、遅いものは年を越しても紅葉が残る気配です。
過去半年間の気候の積み重ねが、このような結果を生みだしたと考えられます。
暖冬のせいだといちがいにいえないのは、2003年と違って2004年は、
春の花が初冬に咲いたということです。やはり、地球温暖化現象は、
このような自然の小さな変化に影を落としているのではないかと考えてしまいます。
もし、2005年にも、このようなことが起こるなら、いよいよその悪夢は現実に一歩近づきます。
新しい年には、また新たな気持ちで、自然を見つめ直そうと思います。
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