今年の桜の咲き方が、ふだんの年とどんな風に違っているのか、引き続き書いてみます。
3月28日に満開になった藤沢のソメイヨシノは、その後、
再三にわたる風雨にさらされながらも10日以上咲き続け、4月8日には、
花びらを散らしながら依然満開状態が続いていました。通常、満開が続くのは、
せいぜい一週間程度ということですから、これも珍しいことかと思います。
「春に三日の晴れなし」のことわざ、「明日ありと思う心のあだ桜 夜半にあらしの吹かぬものかわ
(親鸞聖人幼時の歌と聞きました)」の通り、
4月2日、5日、8日と三度のわたる低気圧の通過にも耐えて、
9日にも満開に近い状態で花見ができました。 さて、問題はソメイヨシノより遅く咲く桜の様子です。
例年、ソメイヨシノとほぼ同時に咲くヤマザクラは、今年の咲き始めはソメイヨシノより1〜2日遅く、
満開は3月28日〜4月2日あたり、8日にはすっかり葉桜になって、
まだ咲き続けるソメイヨシノと鮮やかな対照を示しました。私の家の御殿場桜は、例年なら、
咲き始めも満開もソメイヨシノより10日ほど遅いのですが、今年はあまり遅れをとらずに咲き始め、
4月8日の時点で、ソメイヨシノとともに満開状態になりました。例年なら、ソメイヨシノが散ると、
御殿場桜が咲き始め、御殿場桜が満開になったときには、ソメイヨシノはもう葉桜になっている、
というのがこれまで毎年くりかえされてきたのですが、今年はたいへんな違いでした。
今年の御殿場桜の開花と満開は、それぞれ、例年より10日早かったわけです。
ソメイヨシノが散りかけた今、
市内のあちこちで満開の桜を見かけます。近寄ってよく見るとオオシマザクラです。
藤沢の山(樹林)には、ヤマザクラのほか、江戸時代に植えられたといわれるオオシマザクラが多く、
さらにヤマザクラともオオシマザクラともつかない正体不明の桜が見つかっているので、
まだ研究の余地はありそうです。私が湘南台で見たオオシマザクラは、
花の芯とガクが赤みを帯びていて、
新葉もかすかに赤みをおびているので、ヤマザクラかサトザクラの血が混じっているのかも知れません。
こうして市内のサクラをいろいろ調べるのも、一年のうちで、花の見られるごく短期間に限られます。
もっと調べたいと思ううちに、いつしか時期が過ぎてしまいます。
「少年老いやすく、学成りがたし」のことば通りです。
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