5月下旬から6月にかけては、海岸植物が、一斉に花を咲かる季節です。
前に里山を復元したら、キンランやギンランが生えてきたという話を紹介したことがありました。
江の島のような海岸ではどうなのでしょうか、現状の確認に、江の島に行って見ました。
以前、江の島には、たくさんの種類の海岸植物が見られたことは、私の記憶だけではなく、記録の上でも、わかっています。
タイトゴメ、ハマボッス、ハマツメクサ、スカシユリ、ハマヒルガオなど、
毎年6月には、にわか造りの花壇さながらの、お花畑が、見られたものですが、今では、そのようなところは、島のどこにも見当たりません。
以前から、東浜の舗装道路や敷石のへりの雑草に混じって自生しているイソギクやハチジョウススキを見ていましたが、
自然の海岸に生える姿を求めていましたので、あまり関心を持ちませんでした。
自然のままの海岸植物の写真を撮ることが極めて困難になった今、あらためて敷石や舗装道路、石垣など、人口環境のもとに、
どのような海岸植生が成り立つのか、さがしてみることにしました。
こうして見つかったのが、以下の写真です。
6月の江の島で、やはり、海岸植物は花を咲かせていました。
しかしそれは、残念ながら、自然の海岸ではなく、人工の海岸で、かろうじて生命をつないでいる姿でした。
近年、里山の復元ばかりでなく、人工海浜や、スキー場を利用した高山植物園(植栽お花畑)など、各地でつくられ、
観光の目玉になっている例が見られるようになりました。
江の島は、海岸植物園をつくるのには、最も適した場所だと思われます。
そして、半世紀前の姿を一部でも復元できればと夢を描いています。
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