このレポートは、かたつむりNo.337[2010(平成22)2.7]に掲載されました

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新時代に入る桜の開花予想
運営委員 鈴 木 照 治
 
ソメイヨシノ円行引地川
■ソメイヨシノ円行引地川
ソメイヨシノ湘南台境川
■ソメイヨシノ湘南台境川
御衣黄湘南台
■御衣黄湘南台
御衣黄湘南台
■御衣黄湘南台
 昨年、気象庁は半世紀以上前から続けてきた桜の開花予想を取りやめると発表しました。 今後は民間3社が開花予想を競います。これまで以上にきめ細かい地域ごとの開花の予想が出されることになりそうです。 これまで、毎年、気象庁から、日本全国の桜の開花予想が出されてきましたが、今年から、その予想は出されません。 かわって民間機関の発表する予想がテレビや新聞に出るでしょう。 数年前から、各地の民間機関が、より細かく、より適切な、その地に合った開花予想を出すようになったからです。 これまで出されてきた気象庁の予想の基準になるのはソメイヨシノという種類(品種)で、成長が早く、 植えて数年で花が見られるので、明治以来、全国的に広まりました。 百年近く前、東京市からアメリカのワシントンに贈られ、ポトマック河畔を飾った桜も大多数がソメイヨシノでしたので、 ソメイヨシノは桜の代表的な品種として、世界中に知られることになりました。 このソメイヨシノの起源については昔、学会で話題になったことがあります。 江戸末期、染井(この地名は今はなくなり、巣鴨駅の近くに「染井吉野」の記念碑が建てられました)の植木屋が売り出したのが始まりとされ、 オオシマザクラとエドヒガンの雑種であることがわかっています。 この二つの種類が自生する伊豆半島に生じた自然雑種が起源ではないかと推定されています。 誕生から、百年たって、短所が目立つようになり、よりすぐれたものだとされるいくつもの品種が出されましたが、それも広まることなく、 今もソメイヨシノを越える品種は確立したとはいえません。 ソメイヨシノは一世紀の長きにわたってサクラの代表選手であり続けてきたといえるでしょう。 これまで9回にわたってサクラの開花について書いて来ましたが、それぞれの年の記述を振り返ってみると――

 2003(平成15)年、開花が早い
 2004(平成16)年、開花が早い、気象庁予想通り、東京、横浜で3月18日に咲き始める。
 2005(平成17)年、暖冬と云われていたが、1月頃から寒い日が多く、開花は平年並み。
 2006(平成18)年、梅は遅かったが、ソメイヨシノは、やや早かった。3/21初開、3/28満開。
 2007(平成19)年、気象庁開花予想修正陳謝、東京3/20、藤沢3/26、梅遅く、桜早い。
 2008(平成20)年、開花早い。藤沢では3/28には満開。
 2009(平成21)年、平年並み。藤沢では3/27に開花。4/2に早くも満開。
 2010(平成22)年、?




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