このレポートは、かたつむりNo.341[2010(平成22)5.16]に掲載されました

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新林公園と植物
運営委員 鈴 木 照 治
 
カエデ
■カエデ
ヤマユリ
■ヤマユリ
キンラン
■キンラン
ホタルブクロ桃
■ホタルブクロ桃
ホタルブクロ白
■ホタルブクロ白
アジサイ
■アジサイ
西洋アジサイ
■西洋アジサイ
ミズキ
■ミズキ
 6月には新林公園での野外活動が予定されています。 ここでの活動は6回目になりますが、前回が1996年9月ですから、15年ぶりになります。 片瀬の新林地区が整備され、新林公園として公開されたのは、1983(昭和58)年、 科学少年団でここを初めて使ったのが1984年なので、もう、26〜7年になります(新林小学校も、科学少年団もこの頃できました)。 植えた木は、30年で成木(青年期の大きく育った若木)になります。今、公園はそのような成木の見本林になっています。 ケヤキ、カツラ、シラカシ、カエデ、ウメなど、昔から日本人の生活に関係の深い木を植えてあるのもこの公園の特徴です。 中央の園地をぐるりと取り囲む山は昔の雑木林や植林を残した自然公園として遊歩道がつくられています。 この森では、10年以上前、アキザキヤツシロランという珍しい腐生植物 (緑葉を持たず、菌類から養分を得て生活する=フジサワメダカPTA会長の渡辺先生発見)も見つかっています。 近年、里山の復活に関心を持つ人たちの尽力で、昔、成育していた植物が再び見られるようになりましたが、新林公園でもここ数年来、 ヤマユリやキンラン、クマガイソウなどが育つようになりました。 まだ、目立たぬように保護しなければならない状態のようですが、いまに、だれもが親しめる状態にまで増えるといいと思っています。 元来、丈夫な植物ですが、人目のたつところに植えても、誰かが採るのか、一、二年で姿を消してしまいます。 半世紀も前、人々が里山に囲まれて生活していた頃には、花束にしてとっても、なくなる心配もないほどありふれていたのですが、 時代の流れが、環境を変えてしまったのです。 4月に活動した少年の森では、5月の連休のとき、見事に大きく成長したキンランを団長の案内で見ることができました。 6月の活動日には、キンランの花は終り、ヤマユリはまだ咲いていませんが、その時期の自然に触れることができるでしょう。 新林公園の山で、もし、ホタルブクロの花を見つけたら、その花色に注意してください。 江の島、片瀬山から鎌倉より先の三浦半島、伊豆半島では白色で、藤沢中北部から丹沢方面では桃色なので、新林公園のあたりは、 ちょうどその境目に当たるからです。(ちなみに2004年夏活動の茶臼山では、花屋で売っているような濃い紫色でした)。
 ホタルブクロは長屋門を出た先の小池邸近くにも生えているはずです。6月活動では、アジサイが見ごろを迎えます。 新林公園では、アジサイの原種であるガクアジサイと、その変種で日本に昔からあるアジサイ(学名オタクサ)、 欧米(おもにドイツ)で品種改良されて第二次大戦後逆輸入された西洋アジサイのどれもが見られます。 さらに近年日本でも改良が進んだニューフェースのアジサイ(ブルーウェーブ)もあります。 園芸ではこれをガクアジサイといいますから混乱しないように注意する必要があります (改良の親に原種のガクアジサイを用いたので、ガクアジサイ系という意味でこう呼ぶ)。 皆さんも、もしアジサイを育てるなら、ブルーウェーブのように丈夫で美しい品種を選ぶのがよいでしょう。 ガクアジサイ系の白や古典品種の八重、ウズアジサイなど(墨田の花火は花が乱れてあまりきれいとはいえない)も丈夫です。
 池の先の湿地にはハンゲショウがありますが葉の先が白くなるのは6月下旬です。トサミズキの花が6月に咲きます。 長屋門の横の山際に、ミズキとヤマボウシと並んでありますから、くらべて見るのに好都合です。


ガクアジサイ
■ガクアジサイ
トサミズキ
■トサミズキ
ハンゲショウ
■ハンゲショウ
ヤマボウシ
■ヤマボウシ




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