今年の桜の種類別の開花の遅速パターンは、また違ったものになりそうです。
毎年、種類ごとに開花の様子を注意して観察していると、年によって相当、大幅な違いがあることがわかりました。
梅の場合、今年は、早咲き、遅咲きどちらも例年より開花が早かったのと、見ごろ(桜は満開、梅は見ごろといいます)の期間はかなり長めでした。
梅が見ごろの間に、早咲きの桜が咲きます。これは毎年変わりません。
ただ、今年は梅の見ごろが長かったその分だけ、早咲き桜の開花は後にずれたかたちになりました。
梅の開花が早いので、桜も早いかも知れないと思い、家にある早咲き桜(例年開花2/15)の開花を心待ちにしていたのですが、
一週間、十日、と待たされ、ようやく2月末に数輪花を咲かせました。
タマナワザクラと同じころ咲くこの桜(タマナワザクラの子)は、カワヅザクラより早く咲くことが多いのですが、
今年は例年より2週間も開花が遅れて、カワヅザクラより遅く咲き始めました。
3月9日にカワヅザクラは満開でしたが、家の桜はまだ3分咲きでした。
満開も遅く(3/15)、今年はおかめ桜の3分咲き(満開3/22)と重なりました。オカメザクラは平年どおり3月中咲き続ける気配です。
今年のカワヅザクラは一週間ほど遅いようです(2/252分咲き)。
一方、開花の最も早いカンザクラは今年は少し遅い程度で、2月25日にほぼ満開でした(日大)。
3月14日、境川にかかる御殿橋の少し上流側、川を隔てた両岸に、西にカンザクラ、東にオオカンザクラがあり、
ことしは珍しく両方同時にほぼ満開の姿を見せました。
普通は先に咲くカンザクラが散る頃、オオカンザクラが咲くのですが、何年か前にもこんなことがあったと記憶しています(2006年にもあって5年ぶり)。
そういえば、近所のコヒガンザクラの開花が今年は早く感じられましたが、これは家の桜が遅いので、そう錯覚したのだと思います(例年満開は3/15〜20)。
テレビでソメイヨシノの開花予想が出され、今年は去年よりやや遅く平年並み、3月29日とのことでした。以上をまとめてみると、
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カンザクラ |
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今年は「やや遅い」 |
オオカンザクラ |
〃 「平年並み」 |
カワヅザクラ |
〃 「やや遅い」 |
タマナワザクラ |
〃 「やや遅い」 |
タマナワザクラの子 |
〃 「かなり遅い」 |
オカメザクラ |
〃 「平年並み」 |
コヒガンザクラ |
〃 「平年並み」 |
ソメイヨシノ |
〃 「平年並み3.29?」 |
(2004.3.18、’06.3.21、’07.3.26)となります。「梅が早く咲くと、桜も早い」というのは、明らかに事実と異なります。
2006年に「梅が遅く、桜が早かった」とき、「梅が遅くても、桜が遅いとはかぎらない」ことをこの欄で書きましたが、
今年はその逆で、「梅が早く咲いても、桜も早いとは、必ずしも言えない」ということを実際に体験したわけです。
このことは生物多様性の一例でもあります。
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