近くで食べられる雑草がたくさん採れる場所が、今年はどうなっているか行ってみると、湘南台大橋という新しい橋ができていました。
十年前は水田で、春、田植え前には、一面に野草で覆われていました。
ここなら気兼ねせずに草つみができたのですが(少年の森の近くの水田では、大勢で採集するわけにはいきません)、
今年行って見ると、すっかり様子が変わっていました。食べられる草のない、ただの雑草の茂った空き地にかわっていたのです。
セリを採りに来たというおばさんが「いくら探しても見つからない」と話してくれました(少年の森のちかくの水田では何株か見ることができましたが)。
稲のつくられなくなった水田は、水を引き入れないため、水田ではなくなり、ただの空き地になります。
すると、土の表面は乾燥して、道端や空き地と同じ雑草に占領されてしまいます。
ハルジオンも生えなくなったこの場所ではもう、食べられる草をとることは難しくなりました。
期待が外れて、近くを流れる引地川の土手に上がると、河原にはたくさんのセイヨウカラシナが黄色い花を咲かせていました。
2〜3月の頃なら、ゆでておいしく食べられます。教文センター前の境川岸には毎年多数見られます。
大庭の親水公園には毎年数百本の大群落ができています。
5〜6月には、たくさんの種子ができますから、とっておいて8月下旬に裸地にばら蒔けば、丈夫で、いっさい手をかけずに冬から春にかけて、おいしいおひたしが食べられます。
私は旅行中、いたるところの川べりでこのカラシナの一種を見かけていますので、これは全国的に分布している雑草でしょう。
あまたの雑草の中で、これほどおいしいものはないと私は思っています。
クレソン(あちこちに勝手に生えるので雑草?)も、おいしいですが、きれいな小川に生えたものでないと食べる気になりません。
さて、6月の活動は、天気がよければ江の島での野外観察になりますが、何年か前、江の島の海岸で、きれいに咲いたクサフジの青紫色の花を見ましたが、
その中に何とピンクの花を見つけました。四葉のクローバーを見つけたようにうれしい気持ちになりました。
クサフジはあちこちで見つかる野草で、5〜6月に咲きますが、春の新芽はおいしく食べられます(ヨーロッパではシロツメクサやカラスノエンドウとともに牛の好む牧草)。
はたして今年も珍しいピンクのクサフジに会えるでしょうか。
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