取って置きの美味雑草 | |||||||||||
運営委員 鈴 木 照 治 | |||||||||||
ベニバナボロギクは、ひと足おくれて登場しましたが、今ではダンドボロギクより、よく見かけるようになりました。 郊外のちょっとした山道の入ってすぐのところで、よく道端で見かけます。最近では、住宅用の木材があまり利用されなくなり、 植林の管理も皆伐更新が行われなくなったせいもあって、山火事の後に一斉に生育し大群落をつくる姿も見ることはありません。 藤沢でダンドボロギクの群落を見たのは40年以上も前、 県の植生調査の際、善行から石川に入ったあたりのスギ林を皆伐した跡に成立したものでした。 帰化植物とか雑草とかいうと、いつでも、どこでも見られるありふれた植物を連想しますが、 中にはよほど探さないと見つからないものもたくさんあります。 ダンドボロギク、ベニバナボロギク、アカバナユウゲショウ、オオマツヨイグサ、それに、 前に紹介したことのあるオニマツヨイグサなどがそれです。うまく見つかれば、そして写真が撮れたら紹介します。 6月号で、私が初めて見た(気がついた)セイヨウアブラナはそれほど珍しくはない方かも知れません。 上記の文章は、2010年5月に書き上げたものです。その際、写真がないかと懸命に探しましたが、 ダンドボロギクとベニバナボロギクがどうしても見つかりません。せっかく書いたのにボツにしなければならないかと思っていたところ、 9月のある日、玄関脇の半日陰にボロギクらしいのが生えているのを発見しました。数個のつぼみが出たばかりで、あと数日経って、 つぼみは上を向いたままならダンド、たれて下を向いたらベニバナと見守るうち、何日かが過ぎ、ようやくダンドボロギクと判明しました。 あとは、ベニバナボロギクが見つからないと「かたつむり」には載せられないまぼろしの原稿になってしまいます。 よく見かけるといっておきながら、あれから見つからないのは皮肉なものです。 とうとう2011年の秋も終わり、立冬を過ぎてアシュウスギの古里、芦生の森を訪れたとき、 ようやくベニバナボロギクの実物に対面することがかないました。 これでやっと「取って置きの美味野草ベニバナボロギク」を紹介することができます。 南の国では、おいしい野菜として活用されているということです。
*段戸山は以前、夏活動で食い違い石を採りに立ち寄った道の駅の近くにあり、2011年夏も近くを通りました。
長篠城博物館、中央構造線露頭のある設楽地方を含めた奥三河と呼ばれる愛知県の東部一帯は植物の宝庫で、
いろいろな特産種があります。
**植物採集家として名の知れた人とは後で知りました。
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