しばらくぶりに江の島を歩きました。南東側防波堤のあたりは荒波でしたが、西浦にまわると波は静かでした。
この海岸のテリハノイバラは、通常のものに比べて、一段と花が大きく、花数がぐっと少ないような気がして
(辻堂や房総南部のも同様)、これは私にとっての新発見かと、写真に撮りました。
そのときふと、がけの上に目を向けると、大きく育った4株ほどのスカシユリが、それぞれ数個のつぼみをつけ、
そのうち一つが開き始めていました。実は、江の島でスカシユリの花を見るのは久しぶりです。
ずっと以前なら、島の民家が植えているものを、道ばたで見ることができましたし、
岩屋に向かう切り立ったがけのはるか上に毎年咲くのが望まれましたが、5年ぐらい前からどちらもなくなりました。
2008年6月号かたつむりに「見られなくなったスカシユリ」として、スカシユリの解説を書きましたが、その翌月、
西浦を歩いて、がけに1輪だけ咲いているのに出会いました。西浦は、自然状態がよいので残っているのでしょう。
最近は、東側ヨットハーバーのサーフボード置き場の一角に生えているのを見ましたが、花は見ていません、
道ばたなので、咲くととられてしまうのかも知れません。
アジアティックバイブリッドと呼ばれるスカシユリ系の改良品種は、白、黄、桃、赤、複色と、色も多彩で、
切花はもとより、全国各地の「ユリの園」では大面積を飾っています。
はるか断崖の上に追いやられている江の島のスカシユリを、参道のあちこちで間近に見られるようにして、
江の島はもともとスカシユリの島だと、PRできればと思います。
(2008年5月号かたつむりに別の話題「江の島に残るテリハノイバラ」を書きました)
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