12月に入ったばかりというのに、真冬の寒さになりました。
今、外を歩いて雑草の様子を見ると、多くの種類が、来春の躍進に備えて、様々な冬越しの準備を整え終わった姿が見て取れます。
草本植物(草のこと)の越冬形(冬を越す姿)はロゼットと呼ばれる地表に密着して放射状に葉を展開する形が普通で、
8,9月ごろ除草された裸の地面には、今、さまざまな種類のロゼットが観察できます。
以前から気がついていたことですが、近ごろはハルジオン(多年草)ばかりが目だって、ヒメジョオン(二年草)が少なくなったように感じます。
雑草群落のできる場所の環境条件が以前とは変わっているものと思われます。
もう一つ、空き地の雑草を見ていて、最近になって気がついたことは、夏の雑草でヒメムカシヨモギ(二年草)が目立つ割に、
オオアレチノギク(多年草)が少なくなったことです。
以前なら、ほぼ同数が交じり合って群落をつくっていたと記憶しています。
オオアレチノギクはそのつもりで探さないと見つからないほど少なくなりました。
都市化の進展とともに、裸地のまま放置され、雑草天国になるような空閑地が少なくなったのが最大の原因と思われます。
従来であれば、夏草と呼ばれるメヒシバやエノコログサ(ともに一年草)の仲間が生育していたあとを引き継いで、
ヒメジョオンやオオアレチノギクの群落ができるはずなのに、近ごろは、夏から秋にかけて、除草されてふたたび裸地になる場所が多くなり、
そこが翌春のハルジオン、初夏のヒメムカシヨモギが群落をつくる場所になると思われるのです。
最近、ヒメジョオンは、高原の高山植物に混じって生育するようになりました。
平地でも、昔と同じ環境の空き地もまだまだあちこちにありますから、ヒメジョオンが姿を消すことはないでしょう。
同様に、オオアレチノギクも生き残ると思います。これは、今年の初夏から夏に向かう時期に気がついたことでしたが、さらにもっと最近、
盛夏を過ぎる頃、いつも通る路で、珍しくオオマツヨイグサ(二年草)が咲いているのに気づきました。
30〜40年前までは近くの空き地よく見かけたもので、夕方、あたりが薄暗くなったちょうどそのタイミングで、
パラパラとまるで音がするかのように、見ているうちに黄色い大輪の花が開くのを楽しみに見たものです。
オオマツヨイグサが咲いているのをを見つけたのは、朝の9時過ぎでしたが、その後、11時頃通っても咲いていたので、
ふたたび疑問が起きました。「まさか大輪昼咲き月見草(オニマツヨイグサ:かたつむり261号)ではないか」、そんな思いも頭をよぎりました。
これをきちんと確かめるためには、夕方行ってみて、花が咲くかどうか、花の大きさなどを調べることですが、まだそこまで確かめないうちに、
花の盛りは過ぎてしまいました。すぐ近くに生育中の大きなロゼットが来年まで取り除かれないで花をつけてくれないかと淡い期待を持っています。
一年草、二年草、多年草が入り混じって生育する、身近の空き地は、雑草にとって生き残りをかけた、まさに激戦区なのでしょう。
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