このレポートは、かたつむりNo.407[2015(平成27)01.10(Sat.)]に掲載されました

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植物名を覚える
運営委員 鈴 木 照 治
 
名前いえず
■名前いえず
モクゲンジ葉と花
■モクゲンジ葉と花
シロバナマンテマ
■シロバナマンテマ
タラヨウの実
■タラヨウの実
ヘメロカリスの新しい花
■ヘメロカリスの新しい花
 野山を歩いているとき、同行する人から植物の名前を聞かれることがあります。すぐに答えることをくり返すうち、 「よくたくさんの植物の名前を覚えられますね」、といわれたことがあります。若いときからの積み重ねで、 身近にある植物の名前は、ほとんどすべてといっていいくらい覚えています。ところが、植物に詳しい人と同行したときは、 そうは行きません。「これは何でしょうね」という質問に、即座に答えられないことがしばしばです。 私たちの身近な自然、例えば少年の森など、20〜30m四方には、約50種類の植物が生育していますが、詳細に調べると、 1種か2種、わからない植物に出会います。とても3000種もある植物図鑑のすべてを覚えるまでには行きません。 もっとも、外来種や固有種など、図鑑に出てない種類もたくさん覚えています。私のは「よく知っている」という程度のものです。 でもこれは、だれもが持っている能力の一つに過ぎないと思います。 テレビで、円周率を10万桁まで覚えている人(日本人)が出て、覚え方を教えてくれました。歌の文句に言い換えて覚えるそうです。 だれでも小さい頃、かるた取りを経験していると思いますが、読み札を呼ばれて、絵札をとる際、絵札の頭字を目安にするのではなく、 絵そのものを覚えるほうが早く取れるのですが、これは、絵(イメージ)と文字(名前) を1対1の対応で結びつける記憶力をだれもがもっているということです。一度しっかり覚えれば、強い記憶として残りますし、 その記憶は繰り返しにより、さらに強固になります。忘れかけた記憶も、思い出すことによりふたたび確かな記憶によみがえります。 少年団の先生の中には、団員全員の顔と名前を覚えている人がいます。私も若い頃は、数百人の名前を覚えていたことがありますし、 年をとってからも、一晩で40人の名前と顔を覚えた経験があります。脳の研究で有名な二人のかたのお話で共通しているのは、 記憶の極意は、一度覚えたことは、思い出せるまでしつこく思い出すことだそうです。結局、覚えようとする気とともに、 思い出そうという気があるのか、ないのかの違いのように思います。近ごろ、高齢になるにつれ、すぐ忘れたり、 まったく思い出せなかったりがしばしばです。どうも、気力のほうが、すっかり衰えてしまったようなので、しっかり覚え、 必ず思い出すように努力するように心がけています。
 紹介するのは、2014年中、すぐに名前をいえなかった植物と、これまで実物を間近に見たことがなかった植物の写真です。


クロガネモチの雄花
■クロガネモチの雄花
シラキ、知らなかった
■シラキ、知らなかった
白花のアカツメクサ
■白花のアカツメクサ


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