このレポートは、かたつむりNo.410[2015(平成27)03.15(Sun.)]に掲載されました

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歩くたびにわかること
運営委員 鈴 木 照 治
 
タイトゴメの一種
■タイトゴメの一種
カゴノキ雄花
■カゴノキ雄花
エビネ
■エビネ
サルピグロッシス
■サルピグロッシス
ヒスイカズラ
■ヒスイカズラ
ウラシマソウ
■ウラシマソウ
 植物観察を目的の一つとして、年に1回は、藤沢駅から大船駅まで歩きます。途中の大船フラワーセンター植物園の見学を兼ねています。 毎回、新しい発見があるので、楽しみにして見て歩きます。 ある年のことですが、タイトゴメかと思われるセダムの一種が4月下旬に早くも開花しているのを見つけました。 江の島のタイトゴメは5月下旬から6月上旬の開花です。日本に自生するオノマンネングサも4月下旬に開花し、 これにそっくりなメキシコマンネングサの開花は5月中旬です。見た目がそっくりで開花の時期が違うのは、同じ種なのか、それとも別種なのか、 私にとっては、興味あふれる新発見です。村岡中近くの法善寺前では珍しくカゴノキの花(雄花?)が見られました。 タケダ薬品正門近くのたて看板に、玉縄桜が1990年に品種登録されたと掲示されていました。 フラワーセンターの入り口花壇には、穂の出たコムギとオオムギが植え込まれていました。 椿園ではまだ咲いている傘型樹形の花径2〜3cmの品種を見ました。エビネの花盛りで、こんなにきれいな花色があったのかと驚く美しさでした。 サルピグロッシスという、めったに聞くことのない花名のきれいな花を見ました。フジが花盛りで、ふだん見られない品種を見ることができました。 八重桜「関山」が満開状態でした。ハイヌーンほか黄色系のボタンを集めて解説した表示板がありました。 温室ではヒスイカヅラの花がまだ見られました。以上10点ほど、一度歩いただけでこれだけの観察記録ができました(110428)
 2013年も、4月11日に歩いてみました。前回より半月以上早いので、早咲きのタイトゴメの一種はまだ咲いていませんでした。 法善寺は通らなかったので、カゴノキ(クスノキ科)の雄花のおしべ9本を確かめることができませんでした。 タマナワザクラの表示板は撤去されたのか見当たりませんでした。フラワーセンターで今回発見したことは、ヒスイカヅラが大きく成長して、 花房が多数下がっていて見事だったことです。10年くらい前はまだ珍しく、1本だけ咲いたのが新聞に紹介されるほどでしたが、 今ではあちこちの温室で見られます。今年の花壇はムギではなく、キャベツの仲間が花を咲かせていました。 2013年の椿は開花が早く、すべて花は終わり、椿園を出たところのカエデ類の林の下にムサシアブミとウラシマソウが花をつけていました。 大きな花がさらに大きく広げた葉の下に隠れていて、案内の標示がなければ、気付かずに通り過ぎるところでした。 いづれもマムシグサ属(Arisaema Gen.)で、どちらの種類も、あまり乾燥しない林縁を好むようですが、ムサシアブミはめったに見られません。 これに対してウラシマソウは林の中を通る道では、いたるところで見かけます。ウラシマソウがこの属で唯一、地下の球根に多数の仔球ができて、 どんどん増えることができるからだと思われます。数年前、フラワーセンターの見本落葉林に同属のユキモチソウの大群落ができているのを、 これは珍しいと思いましたが、この年限りでその後、一本もなくなってしまって、とてもがっかりしました。 以上、このように、行く度に違った発見があるのは楽しいものです。あのとき一株だけあったムサシアブミは、今でもあるのでしょうか。


フジ
■フジ
ムサシアブミ
■ムサシアブミ


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