食べるだけじゃなくて覚えよう春の野草(1) | |||||||||||||||||||
− 白、黄色、薄紫 春は花 − | |||||||||||||||||||
運営委員 高 木 茂 行 | |||||||||||||||||||
こうして食べ物の話題はつきないけど、4月活動の目的は雑草を食べて、 植物に親しもうということだ。 食べるだけじゃなく、植物を想い出して名前と特徴をしっかり覚えよう。 春の植物のキーワードは花。 暖かさを感じ始める頃、道ばたや野原を眺めれば、美しい花が目に止まる。 花の色をもとに野草を覚えよう。 白い花と言えばハルジオン(図1)。すっと伸びた茎の上に小さな白い花を咲かせる。 花は白が基調となっているが、周辺には薄い赤紫色になっていて可憐だ。 白と赤紫のコントラストもみごとだ。小さな花ではタネツケバナ(図2)。 ナズナほどの背丈の小さな野草だ。 野草の本には『種もみの発芽をはやめるために水に漬ける頃に花がさくのでこの名がある』 と書かれている1)。 春の黄色い花といえばタンポポだろう。次に目を引く黄色い花はノゲシあるいはオニノゲシ。 茎はハルジオンと同様にすっと伸び、同じくらいの草丈だ。 オニノゲシ(図3)には葉の周囲にトゲがあり一目で区別がつく。 ノゲシよりこちらの方を多く見かけるような気がするが、 トゲのある姿が印象に残るためからかもしれない。 タネツケバナと同じくらいの草丈の黄色い花はハハコグサ(図4)。 全体が毛で覆われ、筒状の花が集まっている姿は独特だ。 青や紫の花の代表はスミレだろう。スミレのなかでも良く目にとまり、 青い花を咲かせるのがタチツボスミレ(図5)。少年の森では炊事場の近くに咲いていた。 赤紫で一番よく見かける花はレンゲソウ(図6)。田植え前の田んぼ一面に咲いているのは、 水田肥料用に栽培されているレンゲソウだ。 中国が原産で、日本には室町時代にいってきた1)。 暖かい青空の下で一面に広がるレンゲソウを見ると、春の訪れをしみじみと感じる。 こうした華やかな色の花だけでなく、地味な色の花もある。そんな代表がスイバだ(図7)。 茶色い小さな花は、少しも花らしくない。それだけに春の野原では異彩を放っている。 茎や葉をかじると酸っぱいことからスイバの名前があり、 年配の人はスカンポとも呼ぶ1)。 花の色から植物の名前を記憶するのは良い思いつきと考えていたが、 図書館で同じ考えの本を見つけた。 本の名前はずばり『花の色別道ばたの草花図鑑』2)。 色別に分類された花のページがあり、これを手がかりに植物の名前を調べる仕組みになっている。 植物の中で一番目立つのは花だから、これを手がかり手掛かりに名前や特徴を憶えない手はない。 春はいっせいに植物が芽吹いて花を咲かせる季節だから、 花の色を楽しみながら名前を覚える絶好のチャンスだ。
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