このレポートは、かたつむりNo.327[2009(平成21)4.19]に掲載されました

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4月活動をふりかえって
− 食べた野草はいつどんな花が咲くのか? −
運営委員 高 木 茂 行
 
ユキノシタ 草
■図1ユキノシタ 草
ドクダミ 草
■図3 ドクダミ 草
ヤブカンゾウ 草
■図5 ヤブカンゾウ 草
ヨモギ 草
■図7 ヨモギ 草
ヨメナ 草
■図9 ヨメナ 草
 4月活動で食材として使う野草では、カラスノエンドウやタンポポなどが花を咲かせている。 一方、ドクダミ、ヤブカンゾウ、ヨモギなどの花は咲いていない。 ヤブカンゾウは4月活動で一番多く使われるし、ヨモギは風味が良くて貴重な食材だ。 加えてドクダミは独特の味を与えてくれる。 少年団の団員なら、野草を食べるだけじゃなく、こうした野草がどんな花を咲かせるか興味を持つだろう。 そこで、春から秋にかけてどんな花を咲せるのかを調べた。
ユキノシタ 花
■図2ユキノシタ 花
ドクダミ 花
■図4 ドクダミ 花
ヤブカンゾウ 花
■図6 ヤブカンゾウ 花
ヨモギ 花
■図8 ヨモギ 花
ヨメナ 花
■図10 ヨメナ 花
 4月活動が終わり、5月頃から花を付けるのはユキノシタ1)だ。図1はユキノシタの葉で、4月活動では天ぷらに使っている。 図2がその花である。小さな白い花がたくさん咲いてきれいだ。 名前のいわれについては諸説があるようだが、垂れた花びらを舌とて見て雪の舌とするというのが一番ぴったりだと思う1)。 白い花は葉の上に降りそそぐ雪のようだ。
 6月〜7月に花をつけるのがドクダミだ2)。図3が葉、図4が花の写真だ。皆さんも見かけたことがある花だろう。 図4で白い花びらのように見える4枚の部分は、花びらではなくつぼみを包む葉で、花はその上の黄色い円錐の部分である。 図2、4の写真は、夏季活動の下見で白糸の滝に行った時に撮った。 一面に咲いたユキノシタを、佐藤団長としばらく見ていたのを覚えている。
 4月活動で最も多く使われるのが、図5のヤブカンゾウだ3)。 ヤブカンゾウは7月〜8月に、図6のような大きなオレンジの花を咲かせる。 花の大きさと立派さに驚いてしまう。この原稿を書くため、ヤブカンゾウと思って撮った写真が、同じくオレンジ色のコオニユリだった。 写真はインターネットのWikipedia4)に掲載されていたものを使わせてもらった。 今年の夏には、もう1度、写真撮影にトライしようと考えている。
 秋に花を咲かせるのがヨモギ5)とヨメナだ6)。図7のヨモギの葉は、ヨモギ餅やヨモギパンなど食材として広く使われている。 あの上品な味からきれいな花を咲かせるのではと思うのだが、予想に反して図8のような地味な花をつける。 花は9月〜10月に咲き、その姿は道端に生える雑草そのものだ。最後にヨメナ。ヨメナの葉(図9)はおひたしに適している。 7月〜10月に図10のような花を咲かせる。いわゆる野菊である。図8のヨモギは昨年の秋、会社に行く途中に撮影した。 図10のヨメナは、2006年の10月活動で泉の森に行った時に撮った。
 さて、皆さんはどれだけの花を知っていただろうか?活動が終われば植物のことを忘れてしまうのでは、少年団の団員としては寂しい。 季節毎に野草を見て、どんな花が咲くのかを、ぜひ確認して欲しい。
(終わり)


参考文献
1)永田芳男:春の野草山,山と渓谷社,201(1997)
2)永田芳男:春の野草山,山と渓谷社,292(1997)
3)菅原久夫:日本の野草「夏」,小学館,209(1990)
4) ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/
5)木原浩:野の花,山と渓谷社,32(1999)
6)木原浩:野の花,山と渓谷社,57(1999)


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