4月活動を振り返って | |||||||||||||
− 春の七草も食べるグルメな活動 − | |||||||||||||
運営委員 高 木 茂 行 | |||||||||||||
『春の七草』の七草というのは、1月7日の朝に身近にある7種の野草が入った粥を食べる風習のこと1‐3)。 もともとは、中国でこの日に7種類の野菜を入れた野菜を煮た吸物を食べて無病を祈る習慣があった。 これが日本にも伝わり、奈良時代の頃から7種類の草の入った粥を食べることが定着した。 七草にはビタミンや薬の効果の成分が含まれて身体に良いため、これを食べる習慣が日本人の知恵として伝わった。 『春の七草』といえば、次の歌が有名だ4)。 君がため 春の野に出でて 若菜(春の七草)つむ 我が衣手に 雪は降りつつ (光孝天皇) 平安時代に詠まれた歌で、若菜というのが春の七草である。 意味は「あなたにあげるため、春の野に出て春の七草をつんでいる。その私の服のそでに、しきりに雪が降りかかっています。 (そんな寒さもあなたのためなら・・・といったところだ)」 ところで、江戸時代までの暦は旧暦と呼ばれ、現在の暦とは少しズレいている。旧暦の1月7日は、今では2月の初め頃である。 また旧暦で1月の季節は春だった。2月初めの頃に身近に見られ、美味しく食べられる七草とは何だろう。 一般に言われているのは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロである。 これは昔の呼び名で今の名前ではセリ、ナズナ、ハハコグサ、ハコベ、コオニカベラ、カブ、ダイコンである。 七草の写真を見てみよう5)。図1はセリで水の多い所に生ハーブ的な味がする。図2はナズナで、なでたくなるほどかいいことからナデナ。 それがなまってナズナとなった。また三角の葉が三味線をペンペンとならすバチのようであるとこからペンペングサとも呼ばれる。 図3はハハコグサで葉と茎は白い綿毛を生やし、黄色い花をつける。図4は昔の名前でコベラ、今ではハコベ。小柄な葉と白くて小さい花が特長的だ。 図5はコオニハコベラで葉が地面に張り付くように広がり、仏の座のように見えることから名前がついた。 現在のホトケノザは図6で、紫の花が特長的である。残念ながら毒草で食べられない。図7はカブ、図8は大根である。 カブも大根も美味しく、栽培しやすかったのだろう。すっかり野菜とし定着した。 さて、少年団の4月活動『雑草を食べる』では、セリ、ナズナ、ハコベ、ハハコグサ、コオニタビラコはお馴染みの植物だ。 ここに掲載した写真はカブと大根を除いて、少年団の活動あるいはその下見の時に撮ったもの。 4月活動は昔の人々が食べた『春の七草』を観察し、身体に良い野草を食べる実にグルメな活動なのだ。 来年の活動では『春の七草』を意識しながら活動してみてはどうだろう。
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