このレポートは、かたつむりNo.330[2009(平成21)7.5(Sun.)]に掲載されました

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タデアイを育てて藍染めをしよう!5
− 大きく育ったタデアイは、刈り取って干しましょう −
運営委員 小 野 哲 夫
 
 タデアイは大きく育ちましたか?
3月の春分の日に蒔いた種は、写真1のように50pを超える大きさとなりました。 でも、5月活動の後に種を蒔いたものは、写真2のようにまだまだ小さいです。
皆さんのは、どのくらいに育ったでしょうか? 二つの中間20〜30pでしょうか。

3月蒔きのもの
■写真1 3月蒔きのもの(50〜60cmと大きく育っている)
  5月蒔きのもの
■写真2 5月蒔きのもの
(まだ10cm程度)

50〜60cmと大きくなったものは、写真3にように根元から新しい芽が出ることから数多くの茎が立ち上がった株立ちとなっています。 これを抜かずに(この写真は、分かりやすい写真を撮るために抜いていますが・・・)、写真4のように根元から10pほどの所から刈り取ります。 すると、写真に見えるように、刈り残した根元から新しい芽が出てきて、また同じように大きく育ってきます。これも、また育てます。

株立ちしているタデアイ   刈り取った後に残された根もと   ■写真3(左)
 株立ちしているタデアイ

■写真4(右)
 刈り取った後に残された根もと


・根元から10p程度の所から
 刈り取ります。
 残された根元からは、また
 新しい芽が出てくるので、
 これをまた育てます。

 刈り取ったタデアイは天日干しして、乾燥葉にします。乾燥葉は写真5のように、刈り取った生葉の緑色から、藍色に変わります。 ――そうです。この乾燥によって、タデアイが生み出した藍色のもととなる物質が、藍色の色素であるインジゴとなったのです。 この乾燥葉を使って10月活動で「化学染め」で木綿を染めます。 (一方、刈り残した根元から新しく出てくるものはそのまま育てて、9月活動生の「生葉染め」用の葉っぱとして使います。)
 葉っぱを乾燥するとき、タデアイ特有の臭いが少々まわりに漂います。ですから、電子レンジでの乾燥はあまりお勧めできません。 梅雨明け後に刈り取って天日干しするのがベストと思います。
それでも、大きく育ってしまったり、間引きができずに密集してしまった場合には、梅雨の間の晴れ間を見て刈り取りましょう。 そして2〜3日干したのち、葉っぱを茎から外して電子レンジにかけると良いでしょう。 (この場合、陰干しとなってしまいますが、写真のように葉っぱの色が変わってくると臭いは少し弱くなるようです。)
タデアイの乾燥
■写真5   タデアイの乾燥
左 生の葉
右 乾燥した葉



≪藍染め豆知識≫
イヌタデ イヌタデの花
■イヌタデとイヌタデの花
―番外;イヌタデの花―

 空き地にイヌタデの花が咲いているのを見つけました。
 先に豆知識に書きましたように、タデアイも、イヌタデもタデ科の植物です。 写真に見えるように赤い丸い花が稲と言うより麦の穂のようにビッシリと着きます。 これを赤飯に見立てて、昔から「アカマンマ」と呼ばれていました。
 アイタデの花も、10月になると同じように穂状に咲き、その後に種が着きます。 1度刈り取っても、また伸びてきて花が咲き、種が着きます。 このイヌタデと同じように花が咲き、種の着くことを観察しましょう。

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