このレポートは、かたつむりNo.454[2018(平成30)04.15(Sun.)]に掲載されました

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発電所の話あれこれ(5) --発電所のお化け煙突−−
運営委員 小 野 哲 夫
 
 お化け煙突と呼ばれる煙突の立つ火力発電所が、50年前まで東京にありました。
本当は4本ある煙突が、見る位置や見る方向によって3本に見えることや、2本さらに1本かとも思うように見えるので、 お化け煙突と言われていました。


 その発電所は、東京電燈会社がおよそ90年前の1926年(大正15年)に東京足立区の隅田川の川べりに作った千住発電所といいます。 作られてから約60年後の、1964年の前回に東京オリンピックの後(1964年11月)まで東京電力によって使われていました。
 発電機は1台の出力が25,000Kwで、奈良田第一発電所の出力27,600Kwとほぼ同じで、3台あって合計75,000Kwでした。 この75,000Kwで、その頃の東京の1/5の電力をまかなうことが出来たと言われています。 発電機は蒸気タービンによって回されるのでタービンも同数の3台ありましたが、蒸気を作るボイラーは12缶 (かん;お湯を沸かす「やかん(薬缶)」の「缶」で、ボイラーではこのように数えます)と数多くなりました。 ボイラーの燃料は石炭で、隅田川を船で運んできていました。 燃す方法は、現在の石炭火力発電所では細かく砕いて微粉炭にして油と同じように噴霧して燃しているに対して、 そのころは固まりのままの石炭で燃していました。 このため、大きなボイラーを作ることが出来なかったので、必要な蒸気を作るために数多くのボイラーが必要だったのです。 (なにしろ、一粒の石炭を燃すためには、その体積の1万倍以上の空気が必要となるのですから)
 煙突は、ボイラー3缶の煙を1本にまとめているので、4本の煙突が立っているのです。 その4本の煙突が、見る場所によって3本や2本、さらに1本に見るというのです。どうしてでしょう!

そこで、問題です。 お化け煙突は、4本の煙突をどのように配置して(ならべている)のでしょうか? 上から見たときの図(絵)で答えてください。(素晴らしい賞品を用意しています。)

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